物語編
第四章 第四十話 概念編
第四章 忍辱波羅蜜
第四十回 持戒 の裏に 辞戒
持戒は、我が欲を抑える、戒を持すること
辞戒とは、我が徳を押える、戒を辞すること
仮に、戒を破りたいなら、戒を守るべきであり
反対に、戒を守りたいなら、戒を破るべきである
破戒とは、我が欲を持って、戒を破ること
戒を、守るのが苦のとき、破るのが楽になる
しかし、我が為に守るとき、我が欲が得になる
自ずから、戒を破る者は、戒を説いて我を締める
辞戒とは、我が徳を以って、戒を解くこと
戒を、守るのが楽なとき、破るのが苦になる
しかし、他の為に破るとき、我が欲が徳になる
自ずから、戒を守る者は、戒を解いて器を広げる
忍辱波羅蜜とは、戒を持して、戒を辞する
持戒が究められると、辞戒に極められること
持戒の段は、放っておけば、戒を破る階であり
辞戒の階では、放っておけば、戒に拘る段である