物語編
第四章 第四三話 概念編
第四章 智慧波羅蜜
第四三回 識別 の裏に 直観
識別は、一を観つめて、二を見とめること
直観とは、二を見つめて、一を観とめること
識別は、条件を介するとき、因果を解すること
直観とは、因果を解するとき、条件を介すること
畢竟、直観なき識別は、単なる理屈である
たとえ、因果を解しても、条件を介さないと
等しい点を認められず、異なる点に捕らわれる
即ち、捻じ曲げた因果を、特別な論理と捉らえる
必竟、識別なき直観は、単なる直感である
たとえ、条件を介しても、因果を解さないと
異なる点を認められず、等しい点に囚らわれる
即ち、湧き上がる実感を、一般の感覚と捕らえる
智慧波羅蜜とは、二に分けて、一に合せる
識別が究められると、直観に極められること
識別の段は、空を介しながら、色を解していき
直観の階では、色を解しながら、空を悟っていく