物語編
第四章 第三八話 問答編
マサシ 布施波羅蜜(フセハラミツ)とは?
アキラ 布施波羅蜜は、波羅蜜の第一段であり、
梵語では、ダーナ・パーラミターである。
布施の徹底であり、気を蓄える段階のこと。
財施と無畏施と法施、この三つの布施がある。
マサシ 財施(ザイセ)とは、どういうものですか?
アキラ 財施とは、貧しい者に、財を施すこと。
欲界に対応している、物質の布施であり、
財を巡らせる者は、自らに財が廻って来て、
財を廻らせない者は、自らに罪が巡って来る。
マサシ 無畏施(ムイセ)は、どういうものですか?
アキラ 無畏施は、畏れる者に、安らぎを施す。
色界に対応している、波動の布施であり、
平安を与える者は、心地良い波動を発して、
恐怖を抱かせる者は、気色悪い波動を発する。
マサシ 法施(ホウセ)とは、どういうものですか?
アキラ 法施とは、迷える者に、法を施すこと。
無色界に対応をする、真理の布施であり、
他に法を施す者は、自らも業を越えていき、
周りに業を施す者は、自らも業に塗れていく。
マサシ 止(シ)とは、どういうものですか?
アキラ 止とは、心の昂りを静め、止めること。
梵語では、サマタと、呼ばれているもの。
意識を集中して、思いのままに見とめると、
雑念が落ちていき、在りのままが見えてくる。
マサシ 観(カン)は、どういうものですか?
アキラ 観とは、心の曇りを祓い、観じること。
梵語では、ヴィパッサナーと、呼ばれる。
意識を解放して、在りのままに見とめると、
真理が浮んできて、在りのままを観じられる。