ＣＡＳＥ　寂止　の裏に　正観

マナミ　ねえ、サマタ、寂止って、どういうものなの？
マサシ　寂止とは、思いのまま、意を狭めることだよ。
マナミ　一点を見て、集中すると、どうなっていくの？
マサシ　意識の底から、雑念の渦が、湧き上がるのさ。
マナミ　雑念を離れ、実感し続けると、どうなるの？
マサシ　在りのままに、此の瞬間が、現れて来るのさ。
マナミ　つまり、集中を使って、在りのままに至るの？
マサシ　うん、意識的に偏り、意識の偏りを直すのさ。
マナミ　ヴィパッサナー、正観は、どういうものなの？
マサシ　正観とは、在りのまま、意を広げることだよ。
マナミ　全体を見て、解放すると、どうなっていくの？
マサシ　意識の底から、因果の鎖が、沸き上がるのさ。
マナミ　因果を観じ、達観し続けると、どうなるの？
マサシ　在りのままの、真の世界が、現れて来るのさ。
マナミ　つまり、解放を遣って、在りのままに到るの？
マサシ　うん、無意識に任せ、意識の偏りを直すのさ。
マナミ　そっか、集中して、雑念を払う道もあれば、
　　　　又は、解放して、道理を辿る道もあるわけね。
マサシ　そうさ、この道は、集中して観じる稀な道さ。
マナミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　寂止　の先に　正観

サトミ　静かなる心、寂止って、どういうものかな？
メグミ　寂止とは、煩悩を諦めて、心を止めることよ。
サトミ　心を静めて、闇を消すには、どうするのかな？
メグミ　我を捧げ、功徳を積めば、闇が空に変わるよ。
サトミ　どうすれば、自我を奉げて、功徳を積めるの？
メグミ　我が望む者を、捧げ出せれば、徳に換わるよ。
サトミ　明かなる心、正観って、どういうものかな？
メグミ　正観とは、菩提を明らめ、心が観えることよ。
サトミ　心を見つめ、光を灯すには、どうするのかな？
メグミ　他を利し、善業を積めば、空が光に変わるよ。
サトミ　どうすれば、他我を利して、善業を積めるの？
メグミ　他が望む物を、捧げ出せれば、善に換わるよ。
サトミ　寂止は、闇が空になる、積徳の果報であり、
　　　　正観とは、空が光になる、積善の果報なのね。
メグミ　うん、自我を奉げれば、空たる徳になるし、
　　　　それを、他我に捧げれば、光たる善になるよ。
サトミ　自己の限界を奉げれば、器が大きくなるし、
　　　　他者に歓喜を捧げるなら、光が強くなるのね。
メグミ　うん、喜んでくれたら、菩提冥利に尽きるよ。
サトミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　正観　という　寂止

サトシ　あのね、布施の果報って、どういうものかな？
マサシ　施すほど、心が静かになり、心が明るくなる。
サトシ　布施により、静かになるのは、どういうとき？
マサシ　囚われる物を、限界で施すとき、静かになる。
サトシ　大事な物を、最大で施すほど、どうなるの？
マサシ　執着が取れて、心が広がるから、穏かになる。
サトシ　一万を持ち、一万を施すとき、どうなるの？
マサシ　限界の布施で、心の静穏として、報われるよ。
サトシ　布施により、明るくなるのは、どういうとき？
マサシ　喜ばれる物を、豊富に施すとき、明るくなる。
サトシ　貴重な物を、大量に施すほど、どうなるの？
マサシ　歓喜が届いて、心が満ちるから、朗かになる。
サトシ　一億を持ち、百万を施すとき、どうなるの？
マサシ　豊富な布施で、心の明朗として、酬われるよ。
サトシ　即ち、相対量が多いと、心は静かになるし、
　　　　反対に、絶対量が多いと、心は明るくなるの？
マサシ　うん、どんな布施にも、相応の果報があるよ。
サトシ　布施は、余裕の範囲内で、出来れば良いよ。
マサシ　なるほど、自分の範囲内で、理解した訳だね。
サトシ　……………………

ＣＡＳＥ　正観なき寂止　と　寂止なき正観

サトミ　寂止と正観、どちらを、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　心を止める、寂止って、どういうものかな？
メグミ　寂止とは、悪業を摘んで、汚れを落すことよ。
サトミ　正しく観る、正観って、どういうものかな？
メグミ　正観とは、善業を積んで、輝きが増すことよ。
サトミ　寂止を望み、正観に臨まないと、どうなるの？
メグミ　正観なき寂止なんて、良く見えないだけよ。
サトミ　じゃ、汚れは落ちても、輝きは増やさないの？
メグミ　そうよ、暗いままだから、明るく見えないよ。
サトミ　正観を望み、寂止に臨まないと、どうなるの？
メグミ　寂止なき正観なんて、穢く見えるだけだよ。
サトミ　じゃ、輝きは増しても、汚れは落とさないの？
メグミ　そうよ、醜いままだから、美しく見えないよ。
サトミ　寂止だけでは、光が足りず、余り見えないし、
　　　　正観ばかりでは、闇が残って、斑に見えるの？
メグミ　うん、寂止と正観、その両方が、必要なのよ。
サトミ　じゃあ、正観を望み、寂止に臨んでいくの？
メグミ　そうなの、寂止を究め、正観を極めていくの。
サトミ　……………………！！