第四章 第四七話 問答編
マサシ 三十三天(サンジュウサンテン)とは?
アキラ 三十三天とは、六欲天の第二層のこと。
梵語は、トラーヤストゥリンシャである。
須弥山の頂上に住む、帝釈天を統領として、
東西南北に、それぞれ、八天が位置している。
マサシ 宝生如来(ホウジョウニョライ)とは?
アキラ 宝生如来は、財宝を司る、五仏であり、
梵語では、ラトナサンバヴァと呼ばれる。
その意味は、宝より生まれ出た者、である。
偸盗と不盗を行き来し、衆生に巡廻を授ける。
マニワ 光を愛して、闇を憎むような、価値観。
光の陣営と闇の陣営が対立する、世界観。
これらを説く存在は、悟ってないのですか?
マコト たとえ、人類より、進化していようと、
二元を越えない限り、悟ってはいません。
彼らの世界観を信じて、闇と戦っていれば、
将来は、闇の陣営として、光と闘っています。
マニワ 我々よりも、遥に進化している存在が、
どうして、真理を悟っていないのですか?
マコト 真理を悟り易いのは、人界だからです。
天界は、楽が多く、世界が偏っています。
ですから、天が説く、天国の教えに酔うと、
いずれ、地が解かれて、地獄の罪に狂います。
マニワ 人ばかりか、天人さえ、救いが見えない。
どうして、こんなことが、起こるのですか?
マコト 今回の救済は、人間界の救済ではなく、
天人を含む、三千世界の救済だからです。
天人界は、救う側でなく、救われる側です。
溺れる者に、抱き着くなら、自らも溺れます。
マニワ 溺れているものが、溺れているものを、
助けようとして、逆に溺れさせてしまう。
これが、放置されているのは、何故ですか?
マコト 地の人に、天災から気づきが有るよう、
天の人にも、人災から気づきが在ります。
両者に於いて、悔い改めの余地が残るため、
何の干渉もなく、そのまま放置されています。
地の人々が、気づくべき、仕組みとは、
救いを望むものは、足を掬われる仕組み。
外に救いを求めても、何の解決も生じない。
即ち、自らを救うには、自らが救うしかない。
天の人々が、気づくべき、仕組みとは、
上から救うものは、下に掬われる仕組み。
下に救いを与えても、何の進化も招じない。
即ち、彼らを救うには、下に降りるしかない。