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物語編

第四章 第五四話 概念編

第四章    大日如来
第五四回 金剛 の裏に 胎蔵

 

金剛は、智を持って、突き詰める世のこと
胎蔵とは、徳を以って、受け容れる界のこと
金剛の界は、欲を持って、動き続ける世であり
胎蔵の世界は、空を以って、止り続ける界である

 

金剛界は、智慧を司る、男性の原理のこと
欲を持って、輪廻を重ね、遥か将来に際して
最終生に、突き詰めるとき、如来の生を迎える
つまり、輪廻が究められると、涅槃に極められる

 

胎蔵界は、慈悲を司る、女性の原理のこと
徳を以って、煩悩を認め、此の瞬間に於いて
全衆生を、受け容れるとき、如来の命を向える
つまり、煩悩が究められると、菩提に極められる

 

大日如来とは、遍くを照らす、如来のこと
大いなる欲を持って、大いなる徳と化すもの
金剛界は、善と悪の仕組み、輪廻即涅槃を説き
胎蔵界では、欲と徳の仕掛け、煩悩即菩提を解く

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