ＣＡＳＥ　善行　の裏に　悪行

マナミ　善を行じる、善行って、どういうものなの？
マサシ　善行とは、善を好むから、悪を嫌うことだよ。
マナミ　どんな、善を愛しても、悪が隠れているの？
マサシ　うん、裏に匿されている、悪に脅えているよ。
マナミ　いつも、裏に返らないよう、悪を威している？
マサシ　そうだよ、悪を憎むから、自ら悪になるのさ。
マナミ　悪を行じる、悪行って、どういうものなの？
マサシ　悪行とは、善を好むから、善を嫌うことだよ。
マナミ　どんな、善を愛しても、悪が暴かれてくるの？
マサシ　うん、裏が露わになった、善に憤っているよ。
マナミ　いずれ、裏に返ってしまう、善に怒っている？
マサシ　そうだよ、善を憎むから、自ら苦になるのさ。
マナミ　つまり、裏を認めると、善が続きやすいし、
　　　　逆に、裏を見とめないと、善が続きにくいの？
マサシ　そうさ、他に善いほど、楽が多くなるけど、
　　　　その逆に、独り善がりは、苦が多くなるのさ。
マナミ　そうすると、善行だろうと、悪行だろうと、
　　　　表から見たら、善行に見える、仕掛けなのね。
マサシ　表ばかり見ても、独善に嵌まる、仕組みだよ。
マナミ　……………………

ＣＡＳＥ　善行　という　悪行

サトシ　地上の人々の、善行って、どういうものかな？
マサシ　地で苦しむ、人々の善とは、上を望むことさ。
サトシ　欲を制し、地の戒を守るのが、人の善行なの？
マサシ　欲を持って、天の界に昇るのが、人々の善さ。
サトシ　天上の神々の、善行って、どういうものかな？
マサシ　天で楽しむ、神々の善とは、下に臨むことさ。
サトシ　慢を御し、人の世を護るのが、神の善行なの？
マサシ　慢を以って、地の界を統るのが、神々の善さ。
サトシ　地の人の善と、天の神の善は、逆向きなの？
マサシ　上を望めば、人は善くなり、神は悪くなる。
　　　　下に臨むなら、神は善くなり、人は悪くなる。
サトシ　上に行き過ぎても、下に逝き過ぎても、ダメ。
　　　　中央辺りで、彷徨わないと、いけないのかな？
マサシ　いやいや、中途半端では、何も修められない。
サトシ　端に進み過ぎても、中に止って居ても、ダメ。
　　　　困ったな、一体、僕は、どうしたら、良いの？
マサシ　たとえ、どこに居ようと、本分を果たすのさ。
サトシ　それなら、地の人の使命は、どんなものなの？
マサシ　欲を持って、天に昇ることが、地の役なのさ。
サトシ　……………………

ＣＡＳＥ　悪行　という　善行

サトシ　地上の人々の、悪行って、どういうものかな？
マサシ　地で苦しむ、人々の悪とは、下に臨むことさ。
サトシ　欲が昂じ、地の戒を破るのが、人の悪行なの？
マサシ　慢を持って、地の麓に逼るのが、人々の悪さ。
サトシ　天上の神々の、悪行って、どういうものかな？
マサシ　天で楽しむ、神々の悪とは、上を望むことさ。
サトシ　慢が高じ、天の界を壊すのが、神の悪行なの？
マサシ　欲を以って、天の頂に迫るのが、神々の悪さ。
サトシ　地の人の悪と、天の神の悪は、逆向きなの？
マサシ　上を望めば、神は悪くなり、人は善くなる。
　　　　下に臨むなら、人は悪くなり、神は善くなる。
サトシ　上に行き過ぎても、下に逝き過ぎても、ダメ。
　　　　中央辺りで、彷徨わないと、いけないのかな？
マサシ　いやいや、中途半端では、何も修められない。
サトシ　端に進み過ぎても、中に止って居ても、ダメ。
　　　　困ったな、一体、僕は、どうしたら、良いの？
マサシ　たとえ、どこに居ようと、本分を果たすのさ。
サトシ　それなら、天の神の使命は、どんなものなの？
マサシ　慢を以って、地を統ることが、天の役なのさ。
サトシ　……………………

ＣＡＳＥ　悪行なき善行　と　善行なき悪行

サトミ　善行と悪行、どちらを、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　欲を育てる、善行って、どういうものかな？
メグミ　善行とは、良くを望んで、善くに臨むことよ。
サトミ　欲を拗らす、悪行って、どういうものかな？
メグミ　悪行とは、良くを望んで、悪くに臨むことよ。
サトミ　善行を望み、悪行に臨まないと、どうなるの？
メグミ　悪行なき善行なんて、唯の楽行に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、欲を育てようと、欲が拗れないのかな？
メグミ　そうよ、苦を知らないと、楽に溺れるだけよ。
サトミ　悪行を望み、善行に臨まないと、どうなるの？
メグミ　善行なき悪行なんて、只の苦行に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、欲を拗らせても、欲を育てないのかな？
メグミ　そうよ、楽を知らないと、苦に塗れるだけよ。
サトミ　善行だけは、楽を知っても、苦が解らないし、
　　　　悪行ばかりは、苦を知っても、楽が解らない。
メグミ　うん、善行と悪行、その両方が、必要なのよ。
サトミ　じゃあ、悪行を究め、善行を極めていくの？
メグミ　そうなの、善行を超え、悪行を越えていくの。
サトミ　……………………！！