物語編
第四章 第五九話 物語編
第四章 仏 と 法
第五九話 法が現われる と 業が表われる
〔智徳よ、宝剣の眷属が、地で守る戒とは、何か。〕
「我が師よ、嘘を吐かない、即ち、不妄の戒めかと。」
〔智徳よ、人間が、予言を行わないのは、何故か。〕
「我が師よ、言霊が弱いため、虚偽になるからかと。」
〔智徳よ、宝剣の眷属が、天で護る仏とは、何か。〕
「我が師よ、誠を尽さない、即ち、妄語の勧めかと。」
〔智徳よ、天人が、預言を辞さないのは、何故か。〕
「我が師よ、言霊が強いため、真実になるからかと。」
〔天人が、真実を語るとき、人々は恐怖を抱く。
智徳よ、そのとき、地の者は、何と語るだろうか。〕
「それは在り得ない、ああ、それは有り得ない、と。」
〔智徳よ、本当に、天人が、虚言を語るだろうか。〕
「騙らない、天人は真実を預け、預言は後から実る。」
〔智徳よ、真実が、現実を裏切ると、如何なるか。〕
「師よ、神通が現れ、奇跡の如く、人々には見える。」
〔妙なることだ、智徳よ、稀なることだ、智徳よ。
神秘の言霊を司れ、その果報は、楽変化天に通じる。〕