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物語編

第四章 第五九話 問答編

マサシ 初転法輪(ショテンポウリン)とは?

 

アキラ 初転法輪は、仏が初めて法を説くこと。
    世界に仏が現れる、それ自体が型となり、
    空間的にも、時間的にも、隅々に広がるが、
    やがて、形ばかりとなって、法が業に変わる。

 

マサシ 正法(ショウホウ)は、どういうものですか?

 

アキラ 正法は、仏滅の後から、五百年であり、
    法が有り、法を重んじて、悟る者がいる。
    即ち、仏があり、僧があり、法がある時代。
    正法には、法を修める、小乗の道が説かれる。

 

マサシ 像法(ゾウホウ)とは、どういうものですか?

 

アキラ 像法は、正法の後から、一千年であり、
    法が有り、法を修めても、誰も悟れない。
    即ち、仏がなく、僧があり、法がある時代。
    像法には、法を広める、大乗の道が説かれる。

 

マサシ 末法(マッポウ)とは、どういうものですか?

 

アキラ 末法は、像法の後から、一万年であり、
    法が有り、法を疎んじて、誰も修めない。
    即ち、仏がなく、僧がなく、法がある時代。
    末法には、法を信じる、密教の道が説かれる。

 


 

イハラ 567に脅える、人々を救いたいです。
    この道を、家族に伝えても、良いですか?

 

マコト たとえ、この身が、朽ちて逝こうとも、
    死を賭し、この道を、進んで生きたいと、
    菩薩の道を、あなたが、望んでいるが故に、
    あなたは、魔に教われず、生かされています。

 

    即ち、生き残るため、道を求めるのは、
    本末転倒であり、天人の道に過ぎません。
    たとえ、その道を、知人に伝えたとしても、
    遅かれ早かれ、魔に襲われて、躓くだけです。

 

イハラ 口先だけで伝えられる、道ではないのですか?

 

マコト 自らの命を懸けて、切り拓かない限り、
    何人も、真理の道を、進めもしなければ、
    何人にも、菩薩の道を、勧められしません。
    いつも、命懸けです、それが菩薩の使命です。

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