物語編
第五章 第九話 物語編
第五章 天使 と 使徒
第九話 命の実を守る と 命の実が稔る
〔惜しむらくは、真理を最後まで聴くことなく、
逸る思いに流され、自分なりの解釈を加えたまま、
再び、外に向かって、救世主を探しに出掛けた事だ。〕
〔外に偶像を求めるな、内なる唯一神を信ぜよ。
型である汝が躓けば、後に多くの者が躓くと知れ。
再び同じ過ちを犯した、使徒の命は道半ばで尽きた。〕
〔更に、救世主に託すと、言い訳することなく、
自ら、選民に対して、悔い改めを説くべきだった。
旧い教えは、半ばに過ぎないと、明かすべきだった。〕
〔確かに、今日の時まで、右と説いていた親が、
次の日から、左と解いていては、子に謗られよう。
親の立場から、強いていた者ほど、反発も多かろう。〕
〔しかし、だからとて、救世主に任せていては、
預言者として、民を引き上げたとは言い切れまい。
当然、果たし切れない命は、次の命に引き継がれる。〕
〔汝は、同じ罪を犯し、神の道に躓かせたため、
自らを含めた選民を、悔い改める業が負わされた。
預言者の次の章が、ヨハネ、「悔い改める」である。〕