第五章 第五話 問答編
マサシ 人類(ヒト)とは、どういうものですか?
アキラ 人類とは、善悪を知って、弁えるもの。
欲を持って、我に塗れ、人の業に支える。
神の意を知らないと、我が意に捕らわれる。
我が善に囚われるため、他の善を見とめない。
マサシ 使徒(シト)とは、どういうものですか?
アキラ 使徒とは、善悪を知って、越えるもの。
愛を以って、我を捨て、神の業に仕える。
神の意を解するため、我が意に捕らわれず、
我が善に拘らないため、他の善を認められる。
エナ 自分が、真理を読んで、解らない所を、
他の人に、教えて貰って、構いませんか?
マコト 神と人の間、それは、魔と呼ばれます。
つまり、神に尋ねずに、他に訊ねるなら、
その瞬間、魔が現われて、付け込まれます。
他に依らず、己に拠り、真我に臨んで下さい。
私が、問いに対して、直接的に答えず、
一般化して応えるのも、これと同じです。
もし、将来、真理を説く、生業が生じたら、
もはや、それは法ではなく、業に過ぎません。
ここは、いかなる、魔の介入も許さず、
内なる神が、直々に、神まで導く仕組み。
悠久の時を掛けて、仕組を整えて来ました。
壮大な仕組を壊さず、味わって頂きたいです。
エナ 「壮大な仕組」とは、どういうことですか?
マコト 神の言だけで、神の栄光を示せるよう、
神が言葉の仕組を、使徒が人類の歴史を、
この終曲の時のため、編み上げて来ました。
真理の美しさを見れば、それが解るはずです。
この仕組みに尽力した、因縁の御魂は、
真理が、良き報せとして、手元に届いて、
大団円に向け、相応の使命が与えられます。
真理に、魂が打ち震える人は、もう少しです。