物語編
第五章 第十一話 物語編
第五章 人業 と 神業
第十一話 欲の積み上げ と 欲の摘み上げ
〔器を広げ、見通しが拡がって、気づいた事は、
理が通じない、利で繋ながる、弱肉強食の世にも、
因果の応報、天の理だけは、通じていることだった。〕
〔神の法は、報いたものは、必ず、酬いられる。
酬いられても、報いなければ、後に、酬われない。
苦を耐え忍べば、器が大きくなり、楽が見えて来る。〕
〔即ち、悪人は、神に見捨てられた訳ではなく、
もし、罪を認めて、罰を受け容れ、業が落ちれば、
大いなる悪ほど、大いなる善として、生まれ変ると。〕
〔ここまで、気づけば、大したものではあるが、
良くを言えば、更に、悟って欲しいことがあった。
一つに密教の真髄であり、二つに神業の仕組である。〕
〔一つには、法も聞かない、愛も効かない者は、
時だけが、救いになると、時を早めることである。
つまり、時が早く進むほど、苦しみが早く楽になる。〕
〔二つには、何を為しても、何を為されようと、
すべては、神が為していると、考えることである。
そうすれば、悪が報いられても、徳にて酬いられる。〕