物語編
第五章 第十話 問答編
マサシ エデンの園とは、どういうものですか?
アキラ エデンの園とは、理想郷の名前であり、
旧約聖書の創世記に、登場しているもの。
ヘブライ語で歓喜、アッカド語で園であり、
中央には、知恵の樹と生命の樹が生えている。
マサシ 知恵の実とは、どういうものですか?
アキラ 知恵の実とは、欲の世界の象徴であり、
それを食べると、善悪の欲が生じるもの。
善が生まれるとき、悪が埋まれていくため、
ある物が欲しくなり、その物を隠したくなる。
マサシ 生命の実とは、どういうものですか?
アキラ 生命の実とは、徳の世界の象徴であり、
それを食べると、永遠の命が生じるもの。
悪を見とめるとき、徳が蘇えってくるため、
善悪の流転を出離し、永遠の歓喜に回帰する。
マサシ 天使(テンシ)は、どういうものですか?
アキラ 天使とは、神の命に使えるものであり、
禁断の実に、人間が近づくことを妨げる。
善悪に囚われ、苦しみに喘ぐ人々に対して、
善悪を乗り越え、有り難く容れることを迫る。
マサシ 人間(ヒト)とは、どういうものですか?
アキラ 人間とは、禁じられた知恵の実を食べ、
善悪が生じ、歓喜の園を追放されたもの。
善と悪は限界があり、必ず死ぬようになり、
男には労働の苦が、女には出産の苦が生じた。
マサシ 使徒(シト)とは、どういうものですか?
アキラ 使徒とは、隠された生命の実を食べて、
善悪を越え、歓喜の園に復帰できたもの。
我が業に支えると、善悪の罠に嵌っていき、
神の業に使えるとき、永遠の命が蘇ってくる。