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物語編

第五章 第十一話 問答編

    

 

マサシ バベルの塔とは、どういうものですか?

 

アキラ バベルの塔は、巨大な塔の名前であり、
    旧約聖書の創世記に、登場しているもの。
    ノアの大洪水の後、バビロンに住む人々は、
    天にまで届くような、塔を建てようと試みた。

 

    この試みが、神の怒りに触れたために、
    言葉が通じなくなって、混乱を来たした。
    ヘブライ語でバーラルは、混乱の意である。
    この結果、ノアの子孫達は、地に散らばった。

 

マサシ 栄華(エイガ)とは、どういうものですか?

 

アキラ 栄華とは、人の業が華やぐことであり、
    必死に、積み上げないと、光り輝かない。
    人の業は、闇の面もあれば、光の面もあり、
    大いなる闇を乗り越えて、大いなる光になる。

 

マサシ 栄光(エイコウ)は、どういうものですか?

 

アキラ 栄光とは、神の業が煌めくことであり、
    たとえ、積み上げずとも、光り輝くもの。
    神の業は、闇に覆われない、光の源であり、
    見る者が隠さないかぎり、いつも輝いている。

 


 

ユズキ どうして、神様は、そんなに非情なんですか?

 

マコト 例えば、美貌、財産、名誉、伴侶など。
    自我が望むものは、慰みものに過ぎない。
    神は、遥かに素晴らしい、愛を与えたいと、
    だから、諦めてくれと、思っているからです。

 

ユズキ 世の中の人が、心から望んでいるものを、
    慰みものと言い切れる、神経が解りません。
    まだ、悪魔の方が、寄り添ってくれています。

 

マコト 悪魔にさえ縋り、外に求めているのは、
    癒せない寂しさを、内に抱えるからです。
    その拭い難い絶望は、神の愛に触れた途端、
    元々無かったかの如く、掻き消えて逝きます。

 

    神を知らないから、外に求めてしまい、
    何も適えられないと、神を恨んでしまう。
    すると、ますます、神の愛が解らなくなり、
    神は、非情と言って、悪魔にさえ縋っていく。

 

    このように、半永久的に、積み重ねた、
    あなたの、神に対する、恨み辛みの数々。
    これを、金輪際、一掃する道こそ真理です。
    正しく解し、悔い改めれば、総て許されます。

 


 

トヨタ 悪の中に、隠されていると、伝えられる、
    一厘の仕組を、ここでは、説いていますか?
    大峠になり、いよいよ、解かれたわけですか。

 

マコト その重みが解る方が、招かれています。
    思い当たるならば、静かに修めて下さい。
    あなたに、神縁が有れば、弥勒に至るまで、
    内なる神が、一対一で、鍛え上げてくれます。

 

トヨタ 具体的に、どういう方が招かれていますか?

 

マコト すべてが壊れて、準備が整った方です。
    例えば、地位、名誉、財産、信仰、経歴。
    まだ、何かしら、囚われるものがあるなら、
    それが消えてから、この門を真剣に叩きます。

 

トヨタ 地位や財産が有る場合は、どうなりますか?

 

マコト 大事にするものを、剥ぎ取られたとき、
    神を恨まない、覚悟が有れば、神縁です。
    これからの、大峠に於いて、自然に失った、
    そのとき、神に還るのが、自然な入り方です。

 

トヨタ 神に還る道は、そこまで、厳しいのですか?

 

マコト 裕福な人が、天国の門を、通ることは、
    針の穴を、駱駝が通るより、遙に難しい。
    人類に、二千年の猶予が、与えられました。
    大峠、何人が越えるか、真価が問われてます。

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