第五章 第九話 対話編
CASE 天使 の裏に 使徒
マナミ 天上に住む、天使って、どういうものなの?
マサシ 天使とは、禁断の果実を、守っているものさ。
マナミ 天使が、生命の実を護るの、どうしてなの?
マサシ 直接的に、神様の使命を、享けたからなのさ。
マナミ 天使が、神の命令を守るの、どうしてなの?
マサシ 天使はね、善悪を知らず、理由が要らないよ。
マナミ 地上に棲む、使徒って、どういうものなの?
マサシ 使徒とは、禁断の果実を、修めているものさ。
マナミ 使徒が、生命の実を得るの、どうしてなの?
マサシ 間接的に、神様の使命を、受けたからなのさ。
マナミ 使徒が、神の密命を知るの、どうしてなの?
マサシ 使徒はね、善悪を知って、神意が解かるのさ。
マナミ 直々に、神命を受けないのは、どうしてなの?
マサシ せっかく、善悪を知る、生命を創ったのに、
それを、天使に戻しても、意味が無いからさ。
マナミ じゃ 知恵の実を得るのは、承知済みだった?
マサシ そうさ、生命の実を得るのも、招致済みだよ。
マナミ すべてが、神の掌の上って、ことだったのね。
マサシ これは、未だ他の人には、秘密にしておいて。
マナミ ……………………!!
CASE 天使 の先に 使徒
サトミ 歓喜の園の、天使って、どういうものかな?
メグミ 天使とは、神の命を介し、実を守るものだよ。
サトミ 労苦の地の、使徒って、どういうものかな?
メグミ 使徒とは、神の命を解し、実を食すものだよ。
サトミ 天使が守る、禁断の果実は、どんなものなの?
メグミ エデンの園に、守られている、知恵の実だよ。
サトミ 実を食さず、命を介していると、どうなるの?
メグミ 善悪を介さず、永遠の生命が、続いていくよ。
サトミ 実を食して、命を解していくと、どうなるの?
メグミ 善悪を解して、生命の秘密が、解けてくるよ。
サトミ つまり、分別が生じて、善悪を招じたから、
楽と苦を繰り返す、生まれ変わりが始ったの?
メグミ うん、楽しむために、苦しまないとならない、
労苦の地まで、歓喜の園から、落ちて来たの。
サトミ もう二度と、歓喜の園には、還れないのかな?
メグミ 知恵の実を食べて、追い出されたんだから、
そのことを、悔い改めたら、帰れると思うよ。
サトミ それなら、泣いて謝れば、許してくれるかな?
メグミ うふっ、それじゃ、知恵を、活かせてないよ。
サトミ ……………………
CASE 天使 と 人類 と 使徒
サトシ 天で生きる、天使って、どういうものかな?
アツシ 天使とは、知恵を守って、生命を護るものだ。
サトシ 地で生きる、人類って、どういうものかな?
アツシ 人類とは、知恵を食して、生命を望むものだ。
サトシ 地で活きる、使徒って、どういうものかな?
アツシ 使徒とは、知恵を食して、生命に臨むものだ。
サトシ 人類が食べた、知恵の実って、どういうもの?
アツシ 欲の象徴であり、善と悪に、分けるものだな。
サトシ 善と悪に分けると、すべてを、歓べなくなる?
アツシ そうだ、だから、歓喜の園から、追放される。
サトシ 使徒が食べる、生命の実って、どういうもの?
アツシ 徳の象徴であり、善と悪を、合せるものだな。
サトシ 善と悪を合せると、すべてを、喜べるのかな?
アツシ そうだ、だから、歓喜の園へと、招聘される。
サトシ 直ぐにも、神様の世界に、還って行くのかな?
アツシ 帰らないな、天使と使徒は、使命が異なる。
サトシ 天使は、天上に留まって、試練を与えるけど、
使徒達は、地上に止まって、福音を広めるの?
アツシ そうだ、この地上も住めば都、良い報せだな。
サトシ ……………………!!
CASE 使徒なき天使 と 天使なき使徒
サトミ 天使と使徒、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 神を介する、天使って、どういうものかな?
メグミ 天使とは、命を受け、生命の実を守るものよ。
サトミ 我を解する、使徒って、どういうものかな?
メグミ 使徒とは、命を解し、生命の実を食すものよ。
サトミ 天使を望み、使徒に臨まないと、どうなるの?
メグミ 使徒なき天使なんて、無難な命に過ぎないよ。
サトミ じゃ、神を介しようと、我を解せないのかな?
メグミ そうよ、使命を受けても、密命が解らないよ。
サトミ 使徒を望み、天使に臨まないと、どうなるの?
メグミ 天使なき使徒なんて、最難な命に過ぎないよ。
サトミ じゃ、我を解しようと、神を介せないのかな?
メグミ そうよ、密命を解しても、使命を受けないよ。
サトミ 天使だけは、明示が有るが、暗示は無いし、
使徒ばかりは、暗示は有るが、明示が無いの?
メグミ うん、天使と使徒、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、使徒を究め、天使を極めていくの?
メグミ そうなの、天使を超え、使徒を越えていくの。
サトミ ……………………!!