第五章 第十一話 対話編
CASE 人業 の裏に 神業
マナミ 積んでいく、人業って、どういうものなの?
マサシ 人業とは、自我を造って、神が隠れることさ。
マナミ 我を作ると、神が匿れるの、どうしてなの?
マサシ 良くを持って、善と悪に、分けるからなのさ。
マナミ 善を好んで、悪を嫌うから、神が見えないの?
マサシ そうだよ、好き嫌いとは、我の特性だからね。
マナミ 摘んでいく、神業って、どういうものなの?
マサシ 神業とは、自我が毀れて、神が顕れることさ。
マナミ 我を壊すと、神が現れるの、どうしてなの?
マサシ 解くを以って、善と悪が、合さるからなのさ。
マナミ 善も愛して、悪も愛すから、神を見とめるの?
マサシ そうだよ、溢れる愛とは、神の徳性だからね。
マナミ じゃあ、我を作るほど、神が見えなくなり、
その逆に、我を壊すほど、神が見えてくるの?
マサシ そうさ、欲が深いほど、愛が冷えてしまい、
その逆に、欲が浅いほど、愛が蘇ってくるよ。
マナミ すると、我を好んでいると、神から離れて、
逆説的に、我を愛せなくなる、仕組が有るの?
マサシ そうさ、積みが詰んでいく、罪の仕掛なのさ。
マナミ ……………………!!
CASE 人業 の先に 神業
サトミ 我を重ねる、人業って、どういうものかな?
マサシ 人業とは、想像を重ねる、我が表れることさ。
サトミ 思いのまま、業を積んだら、どうなるのかな?
マサシ 善だけ選んで、これが善いと、観じるのさ。
サトミ 善を択べないと、これが悪いと、感じるのね?
マサシ どうして、悪を創造したのか、神に訴えるよ。
サトミ 我を越える、神業って、どういうものかな?
マサシ 神業とは、創造を重ねる、神が現れることさ。
サトミ 在りのまま、業を摘んだら、どうなるのかな?
マサシ 悪まで選んで、それも良いと、観じるのさ。
サトミ 悪を択べないと、それが悪いと、感じるのね?
マサシ どうして、悪を想像したのか、我を省みるよ。
サトミ すると、悪魔を感じるのも、想像に過ぎない?
マサシ うん、責任を被せるため、自我が造ったのさ。
サトミ じゃあ、自我を守るために、悪魔を作って、
それまで、神様に被せて、逆怨みしているの?
マサシ 悪魔を恨み、神様に訴えて、悪魔そのものさ。
サトミ 絶対に違うわ、あんたの考え、おかしいから。
どう転べば、そう思うのか、省みなさいよね。
マサシ ……………………
CASE 人業 という 神業
サトシ 人が重ねる、人業って、どういうものかな?
アツシ 人業とは、自我を積んで、世に表れることだ。
サトシ 神が重ねる、神業って、どういうものかな?
アツシ 神業とは、自我が崩れて、空が現れることだ。
サトシ 絶対に、積み上げると、崩れ落ちていくの?
アツシ 天にまで、詰み上げると、罪を挙げてしまう。
サトシ 空高くまで、積める業とは、どういうもの?
アツシ 良くが和して、大きな良くに、合さるものだ。
サトシ 空高くまで、積めない業は、どういうもの?
アツシ 良くが刻して、多くの良くに、別れるものだ。
サトシ そうすると、積み上げると、崩れ落ちるけど、
自ずから、潰し合うから、壊れるだけだよね。
アツシ たとえ、強い欲が表れ、弱い欲を抑えても、
そのうち、弱い欲が集り、強い欲が覆される。
サトシ すべて、人の業による、自業自得に過ぎず、
いつでも、神の業による、無為自然な訳だね。
アツシ そうだ、神は何もしないが、法だけ創られた。
サトシ 神の業を、人の業と化すのが、人の業なのか。
アツシ それを含め、総べての業が、神の業なわけだ。
サトシ ……………………!!
CASE 神業なき人業 と 人業なき神業
サトミ 人業と神業、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 人が表わす、人業って、どういうものかな?
メグミ 人業とは、良くを持って、積み上げるものよ。
サトミ 神が現わす、神業って、どういうものかな?
メグミ 神業とは、解くを以って、受け容れるものよ。
サトミ 人業を望み、神業に臨まないと、どうなるの?
メグミ 神業なき人業では、バベルの塔に過ぎないよ。
サトミ じゃ、積み上げても、受け容れないのかな?
メグミ そうよ、罪が洗われず、自ら崩れるだけなの。
サトミ 神業を望み、人業に臨まないと、どうなるの?
メグミ 人業なき神業では、エデンの園に過ぎないよ。
サトミ じゃ、受け容れても、積み上げないのかな?
メグミ そうよ、罪が表われず、神が現れるだけなの。
サトミ 人業だけは、罪が現れても、罪が洗えない。
神業ばかりは、罪が洗えても、罪が現れない。
メグミ うん、人業と神業、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、神業を介し、人業を解していくの?
メグミ そうなの、人業を究め、神業を極めていくの。
サトミ ……………………!!
CASE バ ベ ル の 塔
サトシ あのね、バベルの塔って、どういうものかな?
マサシ 積み上げれば、詰み上がり、壊れて行く話さ。
サトシ 人類が集まって、天まで届く、塔を建てたよ。
マサシ 当時の人類は、同じ言葉を、話していたから、
共通の欲を、持つことが、可能だったわけさ。
サトシ 欲を積み上げ、天まで届く、勢いだったけど、
慢に陥って、神の怒りに触れ、崩れ落ちたね。
マサシ 人類が集まり、同じ良くを、持てないように、
欲を違えて、言を乱すことで、民族が別れた。
サトシ 様々な善、色々な欲が、刻し合うようになり、
昔のように、普遍の欲を、持てなくなったよ。
マサシ そうさ、君は、この話から、何が解かった?
サトシ どれだけ、積み上げても、罪が重なるばかり。
だから、欲を抱かずに、何も積まないことだ。
マサシ そういう、生き方を、神が望むと思うかい?
それを、神が望むなら、人を創らなかったさ。
サトシ でも、何を積んでも、他と摘み合うだけだよ。
マサシ 確かに、共通の言語は、消え失せたけれど、
最終的に、普遍の知恵に、辿り着けるはずさ。
サトシ ……………………!!
CASE 積む の裏に 詰む
マナミ 良くを辿る、積むって、どういうものなの?
マサシ 積むとは、良くを持って、業を重ねることさ。
マナミ 欲を追って、業を重ねると、どうなるのかな?
マサシ 業が少ないと、空きが有って、楽を感じるよ。
マナミ 自らの器に、裕りが有ると、楽しく積めるの?
マサシ そうだよ、器に収まれば、何でも楽しくなる。
マナミ これ以上に、良くなりそう、それが楽しいの?
マサシ 空の中に、楽を見とめて、積んでいけるのさ。
マナミ 飽くを辿る、詰むって、どういうものなの?
マサシ 詰むとは、飽くを以って、業を重ねることさ。
マナミ 欲を負って、業を重ねると、どうなるのかな?
マサシ 業が増えると、空きが無くて、苦を感じるよ。
マナミ 自らの器に、裕りが無いと、楽しく積めない?
マサシ そうだよ、器を溢れれば、何でも苦しくなる。
マナミ これ以上は、良くならない、それが苦しいの?
マサシ 楽の中に、苦を見とめて、詰んでしまうのさ。
マナミ つまり、空きが有ると、業を積んでいくし、
その逆に、空きが無いと、業が詰んでいくの?
マサシ 積みながら、詰んでしまう、欲の仕掛なのさ。
マナミ ……………………!!
CASE 積む の先に 詰む
サトミ 良くを望む、積むって、どういうものかな?
メグミ 積むとは、空きを持って、業を重ねることよ。
サトミ 自我の中に、裕りが有ると、業を積み易いの?
メグミ 未だ見えない、良くに向って、業が流れるよ。
サトミ 流れるから、良くが増して、勢いを得るの?
メグミ そうだよ、勢いを得ると、業を積み易くなる。
サトミ 飽くに臨む、詰むって、どういうものかな?
メグミ 詰むとは、飽きを以って、業を重ねることよ。
サトミ 自我の中に、裕りが無いと、業が詰み易いの?
メグミ 既に見とめる、飽くを迎えて、業が固まるよ。
サトミ 固まるから、良くが減じて、勢いを失うの?
メグミ そうだよ、勢いを失うと、業が詰み易くなる。
サトミ そうすると、裕りが有ると、業が流れるけど、
勢い余り、裕りが無くなると、業が固まるの?
メグミ そうよ、勢いを損わないと、欲が昂じるけど、
捕われて、勢いが害われると、欲が和らぐよ。
サトミ そうすると、積んでいくと、詰んでしまう。
漏れなく、積むと詰むを、繰り返しているの?
メグミ その結論に、積んで行けば、詰んで逝くのよ。
サトミ ……………………
CASE 積む という 詰む
サトシ 良くを望む、積むって、どういうものかな?
マサシ 積むとは、良くを注いで、器を充たすことさ。
サトシ 飽くに臨む、詰むって、どういうものかな?
マサシ 詰むとは、良くを注げず、器が満ちることさ。
サトシ 全ての人が、我という器を、持っているの?
マサシ 欲を持つには、徳という器が、欠かせないよ。
サトシ 器が小さく、徳が小さいと、どうなるのかな?
マサシ 少しだけ、積むだけでも、詰んでしまうのさ。
サトシ 器が大きく、徳が大きいと、どうなるのかな?
マサシ 幾らでも、積んでいても、詰まなくなるのさ。
サトシ つまり、器が小さいと、何でも飽き易いし、
その逆に、器が大きいと、何でも厭き難いの?
マサシ そうさ、徳が小さいと、何でも適い難いし、
その逆に、徳が大きいと、何でも叶い易いよ。
サトシ じゃあ、諦め易いのか、諦め難いのかって、
その欲の、対象が何かは、関係が無いわけか。
マサシ そうさ、何でも良くなるが、徳の性質なのさ。
サトシ じゃ、詰んでも良いから、積んで行こうかな。
マサシ そうさ、それを繰り返すと、徳が大きくなる。
サトシ ……………………!!
CASE 詰むなき積む と 積むなき詰む
サトミ 積むと詰む、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 業を重ねる、積むって、どういうものかな?
メグミ 積むとは、良くを望んで、業が変わることよ。
サトミ 業を窮める、詰むって、どういうものかな?
メグミ 詰むとは、飽くに臨んで、業が固まることよ。
サトミ 積むを望み、詰むに臨まないと、どうなるの?
メグミ 詰むなき積むなんて、力不足に過ぎないよ。
サトミ じゃ、業を重ねるけど、業を窮めないのかな?
メグミ そうよ、力を尽くしても、役を果せないのよ。
サトミ 詰むを望み、積むに臨まないと、どうなるの?
メグミ 積むなき詰むなんて、役不足に過ぎないよ。
サトミ じゃ、業を窮めるけど、業を重ねないのかな?
メグミ そうよ、役を授かっても、力を奮えないのよ。
サトミ 積むだけでは、役が余って、力が足りないし、
詰むばかりでは、力が余って、役が足りない。
メグミ うん、積むと詰む、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、詰むを究め、積むを極めていくの?
メグミ そうなの、積むを超え、詰むを越えていくの。
サトミ ……………………!!
CASE 積む の裏に 摘む
マナミ 良くを進む、積むって、どういうものなの?
マサシ 積むとは、良くを持って、業を重ねることさ。
マナミ 欲を追って、業を重ねると、どうなるのかな?
マサシ 業が増すから、空きが減って、苦を観じるよ。
マナミ 自らの器に、裕りが減ると、飽いて来るの?
マサシ そうだよ、器を溢れれば、何でも苦しくなる。
マナミ これ以上は、良くならない、それが苦しいの?
マサシ 楽の中に、苦を見とめて、詰んでしまうのさ。
マナミ 良くを退く、摘むって、どういうものなの?
マサシ 摘むとは、飽くを以って、業を落とすことさ。
マナミ 欲を負って、業を落とすと、どうなるのかな?
マサシ 業が減るから、空きが増えて、楽を観じるよ。
マナミ 自らの器に、裕りが増すと、空いて来るの?
マサシ そうだよ、器に収まれば、何でも楽しくなる。
マナミ これ以上に、悪くならない、それが楽しいの?
マサシ 苦の中に、楽を見とめて、摘んでしまうのさ。
マナミ つまり、空きが有ると、業を積んでいくし、
その逆に、空きが無いと、業を摘んでいくの?
マサシ 積みながら、摘んでしまう、欲の仕組なのさ。
マナミ ……………………!!
CASE 積む の先に 摘む
サトミ 良くを望む、積むって、どういうものかな?
メグミ 積むとは、空きを持って、業を重ねることよ。
サトミ 自我の中に、裕りが有ると、業を積み易いの?
メグミ 未だ見えない、良くに向って、業が畳なるよ。
サトミ 畳なるから、飽くが増えて、空きが減るの?
メグミ そうだよ、空きが減ると、業を積み難くなる。
サトミ 空くを望む、摘むって、どういうものかな?
メグミ 摘むとは、飽きを以って、業を落とすことよ。
サトミ 自我の中に、裕りが無いと、業を摘み易いの?
メグミ 既に見とめる、飽くを迎えて、業が崩れるよ。
サトミ 崩れるから、飽くが減って、空きが増えるの?
メグミ そうだよ、空きが増すと、業を摘み難くなる。
サトミ そうすると、裕りが有ると、業を重ねるけど、
勢い余り、裕りが無くなると、業を落とすの?
メグミ そうよ、良くが満たせると、欲を促がすけど、
囚われて、良くが叶わないと、欲を抑えるよ。
サトミ そうすると、積んでいくと、摘んでしまう。
漏れなく、積むと摘むを、繰り返しているの?
メグミ その結論に、詰んで逝けば、摘んで行けるよ。
サトミ ……………………!!
CASE 積む と 詰む と 摘む
サトシ 良くを望む、積むって、どういうものかな?
マサシ 積むとは、良くを注いで、器に充たすことさ。
サトシ 飽くに臨む、詰むって、どういうものかな?
マサシ 詰むとは、良くを注げず、器に満ちることさ。
サトシ 空くを望む、摘むって、どういうものかな?
マサシ 摘むとは、良くを注がず、器を空けることさ。
サトシ 欲を注げる、自我の器とは、どういうもの?
マサシ 人それぞれに、大きさが違う、徳のことだよ。
サトシ 器が大きいほど、多くの良くを、充たせるの?
マサシ 確かに、多く適えられるけど、限界は有るよ。
サトシ 少しずつ、欲が充ちるから、満たせなくなり、
最後は、溢れ返えるから、全く叶わなくなる?
マサシ そうだよ、詰んでしまって、苦しくなるのさ。
サトシ もっと、欲を適えるには、どうすれば良いの?
マサシ これまで、積んだ分だけを、摘んで行くのさ。
サトシ 今まで、良くを味わっただけ、飽くを味わう?
マサシ 前向きに、飽くを味わえば、摘んで行けるよ。
サトシ 積んだだけ、摘むなんて、すでに詰んでない?
マサシ 気づくの、早過ぎるよ、もっと積んできなよ。
サトシ ……………………
CASE 摘むなき積む と 積むなき摘む
サトミ 積むと摘む、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 業を重ねる、積むって、どういうものかな?
メグミ 積むとは、良くを望んで、業を増やすことよ。
サトミ 業を落とす、摘むって、どういうものかな?
メグミ 摘むとは、空くを望んで、業を減らすことよ。
サトミ 積むを望み、摘むに臨まないと、どうなるの?
メグミ 摘むなき積むなんて、過加重に過ぎないよ。
サトミ じゃ、業を重ねるけど、業を落さないのかな?
メグミ そうよ、重く過ぎるから、歯が立たないのよ。
サトミ 摘むを望み、積むに臨まないと、どうなるの?
メグミ 積むなき摘むなんて、過軽減に過ぎないよ。
サトミ じゃ、業を落とすけど、業を重ねないのかな?
メグミ そうよ、軽く過ぎるから、役に立たないのよ。
サトミ 積むだけでは、重く過ぎて、疲れ切るだけで、
摘むばかりでは、軽く過ぎて、空を切るだけ?
メグミ うん、積むと摘む、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、摘むを究め、積むを極めていくの?
メグミ そうなの、積むを超え、摘むを越えていくの。
サトミ ……………………!!
CASE 栄華 の裏に 栄光
マナミ 時に現れる、栄華って、どういうものなの?
マサシ 栄華とは、人の業により、美しく輝くことさ。
マナミ 人の営みが、美しいときは、どういうとき?
マサシ 長い闇を、潜り抜けた先、光が現れたときさ。
マナミ 欲を持って、積むから、光と闇に分かれるの?
マサシ そうさ、積み上がるほど、不自然に歪むのさ。
マナミ 常に現れる、栄光って、どういうものなの?
マサシ 栄光とは、神の業により、美しく耀くことさ。
マナミ 神の営みが、美しいときは、どういうとき?
マサシ 見る側が、見とめる限り、いつでも美しいよ。
マナミ 愛を以って、和すから、光と闇に別れないの?
マサシ そうさ、受け容れるほど、自然に美しいのさ。
マナミ 光と闇の、対比の中に、美しさを感じるのは、
欲を持っている、人間の特徴ということなの?
マサシ うん、闇から光の、幸福な結末は、もちろん、
不幸な結末でも、カタルシスで、美を感じる。
マナミ 耽美に、酔い痴れていたら、いけないのかな?
マサシ 人が作り出す、美しさを望んでも良いけど、
神が創り出した、美しさに臨んでも良いのさ。
マナミ ……………………!!
CASE 神業なき自業 と 自業なき神業
サトミ 自業と神業、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 我が表れる、自業って、どういうものかな?
メグミ 自業とは、自我を介して、業を解することよ。
サトミ 神が現れる、神業って、どういうものかな?
メグミ 神業とは、自我を介さず、業を越えることよ。
サトミ 自業を望み、神業に臨まないと、どうなるの?
メグミ 神業なき自業なんて、唯の罪業に過ぎないよ。
サトミ じゃ、業を解しようと、業を越えないのかな?
メグミ そうよ、業を超えないと、業が返るだけだよ。
サトミ 神業を望み、自業に臨まないと、どうなるの?
メグミ 自業なき神業なんて、只の非業に過ぎないよ。
サトミ じゃ、業を越えようと、業を解さないのかな?
メグミ そうよ、業が解らないと、業に塗れていくよ。
サトミ 自業だけでは、踏み締めて、縛り付けられ、
神業ばかりでは、踏み外して、転げ落ちるの?
メグミ うん、自業と神業、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、神業を究め、神業を極めていくの?
メグミ そうなの、自業を超え、神業を越えていくの。
サトミ ……………………!!