clear
clear
物語編

第五章 第十七話 対話編

CASE 御父 の裏に 御子

 

マナミ 一元を司る、御父って、どういうものなの?
マサシ 御父とは、一元に止まり、二元を愛すものさ。
マナミ 父なる神は、二元の世界を、愛しているの?
マサシ うん、善も愛しているし、悪も愛しているよ。
マナミ 二元を司る、御子って、どういうものなの?
マサシ 御子とは、二元に降りて、一元に導くものさ。
マナミ 子なる神は、二元の世界を、救いにくるの?
マサシ うん、善も救おうとして、悪も救おうとする。
マナミ つまり、神の側から見たら、善も悪も無いの?
マサシ うん、人の側から見たら、善と悪が有るのさ。
マナミ 善人が、子なる神を見ると、どうなるのかな?
マサシ 善き友と、捕らえるから、導きに従がうのさ。
マナミ 悪人が、子なる神を見ると、どうなるのかな?
マサシ 悪い敵と、捉らえるから、導きに逆らうのさ。
マナミ ただ、愛していたら、皆を放置してしまう。
    だから、救いにきたら、悪が反逆してしまう。
マサシ うん、二元を救うことは、単純ではないのさ。
マナミ う~ん、どのようにしたら、悪を救えるの?
マサシ 二元で培った、知恵の集大成で、救えるのさ。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 御父 の先に 御子

 

サトミ 天に在します、父なる神って、どういうもの?
メグミ 父なる神は、一元に止まる、表れない神だよ。
サトミ 地に坐します、子なる神って、どういうもの?
メグミ 子なる神は、二元に降りる、現われる神だよ。
サトミ 父の神も、子なる神も、神だから我がないの?
メグミ そうよ、父なる神は、一元で愛しているだけ。
    一方、子なる神は、二元で演じているだけよ。
サトミ 我が有る人に、我が無い神は、どう見えるの?
メグミ 神を見ると、我を写す鏡の如く、見えるのよ。
サトミ 世の人が、父なる神を見ると、どう見えるの?
メグミ 我を介して、見たいように、見ようとするよ。
サトミ 世の人が、子なる神を見ると、どう見えるの?
メグミ 神を解して、見たくないものが、見えるのよ。
サトミ すると、神のことを、〇〇と言っていたら、
    鏡だから、我のことを、〇〇と言っているの?
メグミ そうよ、子なる神は、在りのまま振る舞って、
    世の人が、隠している、本性を晒し出すのよ。
サトミ 神様は、遠くに居ながら、思うものにしたい。
メグミ 誰だって、思いのまま、想っていたいよねえ。
サトミ ……………………

 


 

CASE 御子 という 御父

 

サトシ 神様、本当に居るのなら、目の前に現れてよ!
マサシ ずっと、見ていたんだけど、どうしたんだい?
サトシ 僕も、神様に会いたいよ、どうすれば良いの?
マサシ 神様は、いつも色々な姿で、現れているんだ。
    君が、神様の様々な姿を、認めないだけだよ。
サトシ 神様が、どこに現れているって、言うんだよ。
マサシ 見る人の、心を映している、透明な鏡なのさ。
サトシ じゃあ、疑い深い人が見ると、どう見えるの?
マサシ 眼の前に、現われ出ている、神を認めないよ。
サトシ じゃあ、信じ深い人が見ると、どう見えるの?
マサシ 目の前に、何を見ていても、神を認めるのさ。
サトシ 神なる者は、こうあるべきと、神を裁くから、
    在りのままの、神様の姿を、認められないの?
マサシ その通りさ、いつでも神様は、君を見守って、
    必要なものを、必要な時に、与えてくれるよ。
サトシ そんなもの、要らないと、思ってしまうから、
    いつ迄も、神様の贈り物に、気づかないわけ?
マサシ そうさ、そこまで解かったら、大丈夫だよね。
    さて、贈り物を届けたから、僕は、消えるよ。
サトシ ……………………!!

 


 

CASE 御子なき御父 と 御父なき御子

 

サトミ 御父と御子、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 絶対の肯定、父なる神とは、どういうもの?
メグミ 御父とは、一元に表れて、一元に誘うものよ。
サトミ 相対の肯定、子なる神とは、どういうもの?
メグミ 御子とは、二元に現れて、一元に導くものよ。
サトミ 御父を望み、御子に臨まないと、どうなるの?
メグミ 御子なき御父なんて、参道のない神殿なのよ。
サトミ じゃ、一元に表われて、二元に現れないの?
メグミ そうよ、入口が説かれず、一元に帰れないよ。
サトミ 御子を望み、御父に臨まないと、どうなるの?
メグミ 御父なき御子なんて、神殿のない参道なのよ。
サトミ じゃ、二元に現われて、一元に表れないの?
メグミ そうよ、出口が解かれず、一元に還れないよ。
サトミ 御父だけでは、入口が無く、誰も参れないし、
    御子ばかりでは、出口が無く、誰も拝めない。
メグミ うん、御父と御子、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、御子に依り、御父に拠っていくの?
メグミ そうなの、御父を究め、御子を極めていくの。
サトミ ……………………!!

コメントを残す

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。