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物語編

第五章 第二三話 物語編

第五章    言行   と   言霊
第二三話 言に伴なう行 と 言に伴なう霊

 

負いたくても、憶えていない、選民の責任と、
認めたくても、確められない、前世の約束と来た。
賢い乙女よ、そんな軽い誘いに、私が乗ると思うか。

 

其方が、神の使いか、あるいは、魔の遣いか。
此処で裁く、必要は無い、家に帰れ、聡い少女よ。
意地を張れば、破れるまで、君を裁く、悲劇を見る。

 

今一度、汝に尋ねる、神の恩寵の証を見せよ。
しかし、予め言って於く、最善は家に還ることだ。
汝が言う通り、幾ら証を見せても、人は変わらない。

 

自らには、無駄であると、証を解きながらも、
我らには、神命であると、証を説かせようとする。
解るか、小賢しい女よ、汝は既に語るに落ちている。

 

自らの知性では、追い切れない、真理の発言に、
初めは戸惑い、態度を決め捲ねた、周囲の者達も、
中心に居る、彼が示す刀の切れ味に、態度を決した。

 

自分では、判らない故に、権威に倣うしかない、
律法学者は、形だけ真似て、真理を辱しめ始めた。
小娘如き、何様の積もりかと、上機嫌に囁き合った。

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