第五章 第二一話 対話編
CASE 加護 の裏に 憑依
マナミ 聖霊が護る、加護って、どういうものなの?
マサシ 加護とは、実感を捕えて、囚われないことさ。
マナミ 実感に、囚われないのって、どういうとき?
マサシ 内側から、実感が湧いたって、感じるときさ。
マナミ じゃあ、自らが選んだって、考えているの?
マサシ すべてが、自分の責任だって、観じているよ。
マナミ 悪霊が憑く、憑依って、どういうものなの?
マサシ 憑依とは、実感を捉えて、捕らわれることさ。
マナミ 実感に、捕らわれるのって、どういうとき?
マサシ 外側から、実感が涌いたって、感じるときさ。
マナミ じゃあ、誰かが択んだって、考えているの?
マサシ すべては、他者の責任だって、観じているよ。
マナミ つまり、我が責にするほど、霊に護られて、
その逆に、他の責にするほど、霊に憑かれる?
マサシ そうさ、責任を逃れるほど、邪魔が増えて、
少しずつ、期待が外れる、世界に変わるのさ。
マナミ すると、現代の社会が、行き詰っているのは、
現代人が、邪まなる霊に、憑かれているから?
マサシ そうだけど、その実感って、内から湧いたの?
マナミ ……………………
CASE 加護 の先に 憑依
サトミ あのね、信頼できる霊能者、誰か知らない?
メグミ わたしも、見られるけど、どうかしたのかな?
サトミ 最近ね、変なことばかりが、起こっているの。
幽霊でも、連れて帰ったのか、見て欲しいの。
メグミ 確かに、憑いて来ているね、何かしたのかな。
それでも、霊の所為には、しない方が良いよ。
サトミ 嫌なことを、悪霊の所為と、考えている人は?
メグミ 最終的に、自分では何も、出来なくなるのよ。
サトミ 好いことを、聖霊の恩恵と、考えている人は?
メグミ 究極的に、自分で何でも、出来るようになる。
サトミ あたし、幽霊が出る場所に、遊びに行ったの。
メグミ うん、たとえ、そうでも、同じ要素があり、
自分は、行くべくして、行ったと考えるのよ。
サトミ 霊能者に、御祓いをして、貰わなくて良いの?
メグミ 完全に、祓いたいなら、過ちを省みること。
払っても、改めなければ、再び憑いて来るよ。
サトミ つまり、他に依るから、霊が寄って来るのね。
逆に、外に頼らなければ、何も憑いて来ない。
メグミ うふっ、悔い改めれば、すっきりするでしょ。
サトミ ……………………!!
CASE 加護 という 憑依
サトシ 僕にも、守護霊が、付いてくれているのかな?
マナミ うん、どんな人にも、守護霊が付いているの。
サトシ う~ん、どうして、そんなこと言い切れるの?
マナミ 守護霊や、指導霊は、未来の自分のことなの。
誰にも、未来が有って、可能性が守っている。
サトシ 守護霊を、他人と見ると、どうなるのかな?
マナミ その人格に、頼ろうとして、霊に憑かれるの。
サトシ 守護霊を、自分と見ると、どうなるのかな?
マナミ その人格に、成ろうとして、霊に護られるの。
サトシ 具体的に、理想を固めて、実感を重ねるほど、
未来に写る、理想の自分が、現実になるんだ。
マナミ 守護霊は、優れた実感を、与えるものなの。
サトシ あのね、僕の守護霊は、僕に囁いて来るんだ。
真面目に、努めるならば、正しく誘おうって。
マナミ それは、深い意識から、語り掛けて来てるの。
あなたが、認めるならば、確かに導かれるの。
サトシ う~ん、努めなくても、成れそうじゃない?
ここまで、守護霊が、言ってくれているんだ。
マナミ じゃあ、どうして、それを、わたしに聞くの?
サトシ ……………………
CASE 憑依なき加護 と 加護なき憑依
サトミ 加護と憑依、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 霊を捉える、加護って、どういうものかな?
メグミ 加護とは、霊に護られて、実感が湧くことよ。
サトミ 霊が捕える、憑依って、どういうものかな?
メグミ 憑依とは、霊に憑かれて、実感が縛ることよ。
サトミ 加護を望み、憑依に臨まないと、どうなるの?
メグミ 憑依なき加護なんて、守護霊に過ぎないよ。
サトミ じゃ、護り過ぎるから、頼り過ぎるのかな?
メグミ そうよ、霊に甘えるから、自ら解かなくなる。
サトミ 憑依を望み、加護に臨まないと、どうなるの?
メグミ 加護なき憑依なんて、憑依霊に過ぎないよ。
サトミ じゃ、縛り過ぎるから、拘り過ぎるのかな?
メグミ そうよ、霊に疲れるから、自ら解けなくなる。
サトミ 加護だけでは、霊に任せて、言を解さないし、
憑依ばかりでは、霊に負けて、言を解せない。
メグミ うん、加護と憑依、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、憑依を解し、加護を介していくの?
メグミ そうなの、加護を超え、憑依を越えていくの。
サトミ ……………………!!