第五章 第二二話 対話編
CASE 冒涜 の裏に 崇拝
マナミ 霊を否める、冒涜って、どういうものなの?
マサシ 冒涜とは、心から認めず、実感を失うことさ。
マナミ 外なる者を、冒涜するほど、どうなるのかな?
マサシ 認めないほど、認めるように、跳ね返るのさ。
マナミ 内なる霊を、冒涜するほど、どうなるのかな?
マサシ 認めないほど、見えなくなり、闇に陥るのさ。
マナミ 霊を認める、崇拝って、どういうものなの?
マサシ 崇拝とは、心から認めて、実感が蘇ることさ。
マナミ 外なる者を、崇拝するほど、どうなるのかな?
マサシ 認めると、認められるように、跳ね返るのさ。
マナミ 内なる霊を、崇拝するほど、どうなるのかな?
マサシ 認めると、見えるようになり、光が蘇るのさ。
マナミ 外のものを、捌いていても、跳ね返るだけ、
内なるものを、裁いていると、光が汚される?
マサシ うん、外を捌いても、悔い改められるけど、
しかし、内を裁いたら、悔い改められないよ。
マナミ なるほど、暗闇の中では、善悪が解からない。
聖霊を、穢していると、取り返しが付かない。
マサシ うん、その内なる実感を、重んじるべきだよ。
マナミ ……………………!!
CASE 冒涜 の先に 崇拝
サトミ 霊を涜する、冒涜って、どういうものかな?
メグミ 冒涜とは、何を見ようと、認めないことだよ。
サトミ 善いものを、認めないほど、どうなるのかな?
メグミ 闇が被うから、楽も損なうし、苦も害なうよ。
サトミ 悪いものを、認めないほど、どうなるのかな?
メグミ 闇が覆うから、苦も害なうし、楽も損なうよ。
サトミ 霊を崇める、崇拝って、どういうものかな?
メグミ 崇拝とは、何を見ようと、認めることなのよ。
サトミ 善いものを、見とめるほど、どうなるのかな?
メグミ 光が蘇るから、楽も生きるし、苦も活きるよ。
サトミ 悪いものを、見とめるほど、どうなるのかな?
メグミ 光が甦るから、苦も活きるし、楽も生きるよ。
サトミ つまり、冒涜すると、苦も楽も弱くなるし、
その逆に、崇拝すると、楽も苦も強くなるの?
メグミ そうよ、器に入るならば、強めれば良いし、
逆に、器に入らないならば、弱めれば良いよ。
サトミ じゃあ、崇めているほど、良くなるなんて、
一括りに、考えているのは、良くないわけね。
メグミ うふっ、崇める振りして、涜しているだけよ。
サトミ ……………………!!
CASE 冒涜 という 崇拝
サトシ 霊を排する、冒涜って、どういうものかな?
アツシ 冒涜とは、全て当り前に、見とめることだな。
サトシ 何でも、当り前に認めると、どうなるのかな?
アツシ 苦も楽も、曖昧に見えるから、罪が分らない。
サトシ つまり、苦しくなっても、当り前に思うし、
その逆に、楽しくなっても、当り前に想うの?
アツシ そうだ、罪が分らないと、改心の余地を失う。
サトシ 霊を拝する、崇拝って、どういうものかな?
アツシ 崇拝とは、総て有り難く、見とめることだな。
サトシ 何でも、有り難く認めると、どうなるのかな?
アツシ 苦も楽も、明確に見えるから、過ちが分かる。
サトシ つまり、苦しくなれば、悪いことと判るし、
その逆に、楽しくなれば、善いことと解るの?
アツシ そうだ、罪が分かると、改善の余地が現れる。
サトシ じゃ、徒に崇めると、善悪が立ち開かるの?
アツシ そうだ、逃れられない、試練が立ち現われる。
サトシ ああ、こんな教えは、知りたくなかったな。
気軽に、神様のことを、崇められなくなった。
アツシ 涜すなら、俺だけにして、聞き流してくれよ。
サトシ ……………………
CASE 崇拝なき冒涜 と 冒涜なき崇拝
サトミ 冒涜と崇拝、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 実感を否む、冒涜って、どういうものかな?
メグミ 冒涜とは、心から臨まず、霊を貶めることよ。
サトミ 実感を肯う、崇拝って、どういうものかな?
メグミ 崇拝とは、心から望んで、霊を称えることよ。
サトミ 冒涜を望み、崇拝に臨まないと、どうなるの?
メグミ 崇拝なき冒涜なんて、完全否定に過ぎないよ。
サトミ じゃ、実感を否むけど、絶対に肯わないの?
メグミ そうよ、完全に否むから、全てが虚しいのよ。
サトミ 崇拝を望み、冒涜に臨まないと、どうなるの?
メグミ 冒涜なき崇拝なんて、完全肯定に過ぎないよ。
サトミ じゃ、実感を肯うけど、絶対に否まないの?
メグミ そうよ、完全に肯うから、総てが空しいのよ。
サトミ 冒涜だけでは、闇ばかりで、何も学べないし、
崇拝ばかりでは、光ばかりで、何も学べない。
メグミ うん、冒涜と崇拝、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、崇拝を追い、冒涜を負っていくの?
メグミ そうなの、冒涜を究め、崇拝を極めていくの。
サトミ ……………………!!
CASE 聖 霊 冒 涜 壱
サトシ 何故、子なる神の冒涜は、許されていても、
絶対に、霊なる神の冒涜は、赦されてないの?
マナミ 子なる神は外だけど、霊なる神は内だからよ。
サトシ どうして、外なる神の冒涜は、許されるの?
マナミ たとえ、神が映っていても、外界は幻影なの。
サトシ 虚という、実感を否定しても、問題は無いの?
マナミ 神は、透明な鏡だから、自分に跳ね返るだけ。
サトシ 実感が、跳ね返ってから、改めれば良いの?
マナミ うん、その余地が残るから、許されているの。
サトシ どうして、内なる神の冒涜は、赦されないの?
マナミ たとえ、気に入らなくても、内界は真実なの。
サトシ 実という、実感を否定したら、虚無に陥るの?
マナミ そうよ、善い悪い以前に、何も感じなくなり、
経験から、悔い改める事が、出来なくなるの。
サトシ そっか、悪い事を悪いと、感じなくなるから、
改心する、機会が失われて、永遠に迷うのか。
マナミ 聖霊冒涜が、どれ程のものか、分かったかな?
サトシ 解ったよ、絶対に行ったら、生けないことだ。
マナミ このように、改められるなら、許されるのよ。
サトシ ……………………!!
CASE 聖 霊 冒 涜 弐
サトミ あんたに、謝らないと、生けないことがある。
マナミ 罪とは、誤まったことを、謝らないことなの。
謝ったら、許されない、過ちなど何もないの。
サトミ 過ちを、犯してしまうのは、罪ではなくて、
犯しても、改めないことこそ、罪になるのね。
マナミ だから、何でも言ってみて、何でも許すから。
サトミ ちゃんと、謝りたい気持ちは、有るんだけど、
あんたには、謝りたくない、明かしたくない。
マナミ そうして、湧き上がる実感を、否定するのは、
まさに、聖霊の冒涜だから、したらいけない。
サトミ 何よ、さっきは赦すって、言ったじゃない。
マナミ わたしが、あなたを、許せないんじゃないの。
冒涜すると、あなたが、赦せなくなるだけよ。
サトミ 善を善い、悪を悪いって、認められないから、
現状が、解らなくなり、悔い改められないの?
マナミ うん、全否定だから、改心の余地が残らない。
だから、赤子のように、素直に成るべきなの。
サトミ そうなのね、あたしって、遣り直せるのかな?
マナミ 心から謝れば、どんな人も、罪は許されるの。
サトミ ……………………!!