第五章 第二三話 対話編
CASE 邪霊 の裏に 聖霊
マナミ 邪魔なる霊、邪霊って、どういうものなの?
マサシ 邪霊とは、邪魔を重ねる、邪まな実感なのさ。
マナミ 邪なる霊が、人に憑くのは、どういうとき?
マサシ 言動が乖離し、言霊の威力が、失われる時さ。
マナミ 考えた事が、遅れて現れて、解り難くなるの?
マサシ 善が悪く見え、悪が善く見え、誤り易いのさ。
マナミ 邪霊に従がうと、思いのままに、実感するの?
マサシ うん、その途上で、善と悪が、引き裂かれる。
マナミ 神聖なる霊、聖霊って、どういうものなの?
マサシ 聖霊とは、指導を重ねる、聖なる実感なのさ。
マナミ 聖なる霊が、人を導くのは、どういうとき?
マサシ 言動が一致し、言霊の威力が、養われる時さ。
マナミ 考えた事が、直ぐに現れて、解り易くなるの?
マサシ 善が善く見え、悪が悪く見え、誤り難いのさ。
マナミ 聖霊に順がうと、在りのままに、実感するの?
マサシ うん、その途中で、善と悪が、引っ繰り返る。
マナミ じゃあ、絶対的な善なんて、何処にも無い。
絶対善が、在ると思ったけど、全く逆なのね。
マサシ そうだけど、聖霊に導かれ、認めてこそだよ。
マナミ ……………………
CASE 邪霊 の先に 聖霊
サトミ 妨害を司る、邪霊って、どういうものかな?
メグミ 邪霊とは、言霊を弱める、邪なる霊のことよ。
サトミ 言葉の力が、弱くなるのは、どういうとき?
メグミ 言ったことと、行なうことが、異なるときよ。
サトミ 支援を司る、聖霊って、どういうものかな?
メグミ 聖霊とは、言霊を強める、聖なる霊のことよ。
サトミ 言葉の力が、強くなるのは、どういうとき?
メグミ 言ったことと、行なうことが、等しいときよ。
サトミ う~ん、でもね、どうして、こうなるのかな?
メグミ いつでも、霊なるものは、言に従っているの。
それを、人の方が聖と邪に、裁いているだけ。
サトミ 言と行が、乖離するとき、どうなるのかな?
メグミ 言葉が、叶ってしまい、思い通りに為らない。
サトミ 言と行が、一致するとき、どうなるのかな?
メグミ 言葉が、適ってしまい、想い通りに成るのよ。
サトミ なるほど、いつでも、その通りになるだけね。
メグミ でしょ、自我が勝手に、霊を裁いているだけ。
サトミ 徹底的に、思いのままに、成っているわけね。
メグミ 神様の、言葉の威力は、人知を越えて強いよ。
サトミ ……………………!!
CASE 邪霊 という 聖霊
サトシ 神の言葉は、出来るだけ、広めるべきなんだ。
マナミ あなたは、黙っていた方が、伝わると思うの。
サトシ やだな、そんな酷いこと、どうして言うのさ。
マナミ あなたは、神の教えを、実践してないでしょ。
サトシ 聞いただけ、知識として、知っているだけ。
マナミ 行わない人が、言ってたら、どうなると思う?
サトシ 無意識に、行わないで良いと、伝わるのかな。
マナミ 知識は、言行を一致しないでも、傳わるけど、
神の言は、言行が乖離すると、伝わらないの。
サトシ 誰でも、言葉の解釈ならば、気にするけど、
誰も、言行の一致なんて、気にしていないよ。
マナミ 誰でも、気にするべき、最も大事なことなの。
即ち、言行の乖離こそが、聖霊の冒涜なのよ。
サトシ そうか、言っていても、行わないってことは、
思っても、認めていない、証しになるわけか。
マナミ 分かったら、もうしないと、あなたは誓える?
サトシ 解ったよ、知っているだけで、傳えないよ。
これからは、行っていることを、伝えていく。
マナミ こうして、実践した実感だけ、傳えていくの。
サトシ ……………………!!
CASE 聖霊なき邪霊 と 邪霊なき聖霊
サトミ 邪霊と聖霊、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 自力を奪う、邪霊って、どういうものかな?
メグミ 邪霊とは、言の力を穢す、邪なる霊のことよ。
サトミ 地力を養う、聖霊って、どういうものかな?
メグミ 聖霊とは、言の力を癒す、聖なる霊のことよ。
サトミ 邪霊を望み、聖霊に臨まないと、どうなるの?
メグミ 聖霊なき邪霊なんて、唯の心霊に過ぎないよ。
サトミ じゃ、霊の所為にして、霊に酔ってしまうの?
メグミ そうよ、力が吸い取られ、心が重くなるのよ。
サトミ 聖霊を望み、邪霊に臨まないと、どうなるの?
メグミ 邪霊なき聖霊なんて、只の神霊に過ぎないよ。
サトミ じゃ、神の所為にして、神に頼ってしまうの?
メグミ そうよ、知を磨き上げず、心が昏くなるのよ。
サトミ 邪霊だけでは、全ての界を、霊と信じるし、
聖霊ばかりでは、総ての解を、神と信じるの?
メグミ うん、邪霊と聖霊、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、聖霊を介し、邪霊を解していくの?
メグミ そうなの、邪霊を超え、聖霊を越えていくの。
サトミ ……………………!!