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物語編

第五章 第二七話 物語編

第五章    縦糸   と   横糸
第二七話 糸を繰り返す と 糸を織り返す

 

真理は、律法学者の方を、ゆっくりと見渡した。
いつもは、好奇の目をして、真理の法を見るのに、
いざ、自分の方を見られると、誰も視線を合せない。

 

教皇の後ろに隠れる、彼らの方に近づいていき、
彼女は、その中の一人を捉え、静かに語り掛けた。
突然、切り取られた関係に、相手は驚きを隠せない。

 

あなたは、真理を捉えて、小娘と言いました。
自らが待ち望んだ真理と、自らが目にした真理が、
真逆にして認め難いが故の、心から生じる言霊です。

 

それは、非では在っても、罪では在りません。
二千年の間、悔い改めを迫る、応報が届きますが、
それを解して、あなたは、再び、回心の機を得ます。

 

審判の時、あなたは、真理に、再び会います。
その時も、あなたは、言葉にこそ、出しませんが、
小娘如きと、心中に湧き上がる、感情を御せません。

 

二千年後も、わたしは、あなたに言いますが、
今ここでも、あなたに、はっきり言っておきます。
真の理は、最も認め難い、汝の心の闇から現れると。

 

言葉に出さない、そこまでは、成長しますが、
同じ過ちを犯します、それほどに、汝の業は深い。
ここに記しておくので、後から見て、確めて下さい。

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