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物語編

第五章 第三一話 物語編

第五章    友愛   と   博愛
第三一話 友に対する愛 と 敵に対する愛

 

今、多くの者が訪れ、この型を見つめている。
目に見える、肉を具える、我ら二人は勿論のこと。
眼に見えない、霊を備える、因縁の御魂たちである。

 

今から、二つの声を使い、汝らに解き明かす。
一つは、今の教皇に届く、話される肉の声であり、
二つとは、後の子孫に届く、描かれる筆の声である。

 

因縁の御魂よ、汝らは、遥か後の子孫であり、
先祖である教皇に、涙を流させる、張本人である。
彼は、自我を越えて、無意識に、突き動されている。

 

汝らが、魚座の時代を、修め終えているなら、
教皇が流す、深過ぎる、涙の意味が分かるだろう。
悲喜交々、二元の両極を、喰らい尽した涙の味だと。

 

一方、他の司祭と同様、肝心な選択で逃げて、
我が儘に、魚座を転生した、不埒な御魂も居よう。
汝には、型が流し続けた、血や汗の意味が解らない。

 

勇者も逃げ出す、地獄の底を塞ぐ、神の使命。
名乗り出ながら、決意を覆すのも、仕方あるまい。
それも承知で、神は汝を選んでいる、汝は赦された。

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