第五章 第二七話 対話編
CASE 縦糸 の裏に 横糸
マナミ 縦に報いる、縦糸って、どういうものなの?
マサシ 縦糸とは、因果に従って、時を重ねることさ。
マナミ 同じ立場を、経験して、時を紡いでいくの?
マサシ 為す事が、繰り返されて、分別を固めるのさ。
マナミ 同じことを、繰り返すほど、実感が極まるの?
マサシ そうだよ、因果が極まり、善悪が決まるのさ。
マナミ 横に酬いる、横糸って、どういうものなの?
マサシ 横糸とは、条件に順って、場を広げることさ。
マナミ 逆の立場で、体験して、場を深めていくの?
マサシ 為す事が、跳ね返されて、善悪を確めるのさ。
マナミ 逆のことが、跳ね返るほど、実感が変わるの?
マサシ そうだよ、条件が変わり、善悪が換わるのさ。
マナミ つまり、縦に進むほど、善悪が決まるけど、
そのうち、横に広がって、善悪が換えられる?
マサシ そうさ、善悪が決まったと、思い始めると、
必ず、引っ繰り返す仕組みが、起き始めるよ。
マナミ う~ん、永遠に変わらない、仕組みなんて、
この世界、何処を探して見ても、無いのかな。
マサシ 縦糸と横糸、その結び目は、いつも同じだよ。
マナミ ……………………!!
CASE 縦糸 の先に 横糸
サトミ 神に繋がる、縦糸って、どういうものかな?
メグミ 縦糸とは、型を重んじて、神に会わせる糸よ。
サトミ 先ずは、縦に糸を紡ぐのは、どうしてなの?
メグミ 神様から、繋がらないと、救えないからだよ。
サトミ 何より、神に会わせるには、どうするのかな?
メグミ 民を選び、正しい型を創れば、神に繋がるよ。
サトミ 人に繋げる、横糸って、どういうものかな?
メグミ 横糸とは、形を重んじて、人に合わせる糸よ。
サトミ 続いて、横に糸を績ぐのは、どうしてなの?
メグミ 人々まで、繋がらないと、救えないからだよ。
サトミ 後から、人に合わせるには、どうするのかな?
メグミ 法を択び、多くの形を作れば、人に繋がるよ。
サトミ つまり、神に会わせる、厳しい法を説いて、
それから、人に合わせる、優しい法を解くの?
メグミ そうよ、選民に説いて、神の道が通ったら、
その型を、万民に解いて、神の道を広げるの。
サトミ じゃあ、選民が辿った道を、万民が辿るのね。
もし、万民が選民を危めたら、どうなるかな?
メグミ たとえ、何を報いようとも、必ず合わせるよ。
サトミ ……………………
CASE 縦糸 という 横糸
サトシ 時間を紡ぐ、縦糸って、どういうものかな?
アツシ 縦糸とは、投影に縒って、時間を貫く糸だな。
サトシ 時を掛けて、糸を通すほど、どうなるのかな?
アツシ 創られた型が、繰り返されて、形が歪まない。
サトシ 時を掛けず、糸を遮るほど、どうなるのかな?
アツシ 創られた型が、繰り返されず、形が歪になる。
サトシ 空間を績ぐ、横糸って、どういうものかな?
アツシ 横糸とは、反射に撚って、空間を貫く糸だな。
サトシ 空を懸けて、糸を通すほど、どうなるのかな?
アツシ 歪んだ分だけ、跳ね返されて、形が直される。
サトシ 空を懸けず、糸を遮るほど、どうなるのかな?
アツシ 歪んだ分だけ、跳ね返されず、形が直らない。
サトシ そうすると、神の意図としては、時空を貫き、
世の隅々まで、正統なる型を、遍く広げたい。
アツシ それなのに、御心が解からない、人々の欲が、
思いのままに、歪めてしまい、跳ね返される。
サトシ 神が見ると、自業の自得が、繰り返されて、
人から見ると、自業の自得が、跳ね返される。
アツシ そうだ、今回は、歪むことなく、伝わったな。
サトシ ……………………!!
CASE 横糸なき縦糸 と 縦糸なき横糸
サトミ 縦糸と横糸、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 縦なる意図、縦糸って、どういうものかな?
メグミ 縦糸とは、理想を以って、型を貫くことだよ。
サトミ 横なる意図、横糸って、どういうものかな?
メグミ 横糸とは、現実を持って、形を広げることよ。
サトミ 縦糸を望み、横糸に臨まないと、どうなるの?
メグミ 横糸なき縦糸なんて、理想型に過ぎないのよ。
サトミ じゃ、型は生まれても、形は産まれないの?
メグミ そうよ、美しい型ばかり、現実を伴わないよ。
サトミ 横糸を望み、縦糸に臨まないと、どうなるの?
メグミ 縦糸なき横糸なんて、現実形に過ぎないのよ。
サトミ じゃ、形は産まれても、型が埋まれないの?
メグミ そうよ、夥しい形ばかり、理想を伴わないよ。
サトミ 縦糸だけは、筋を通しても、幅が生じないし、
横糸ばかりは、幅が生じても、筋を通さない。
メグミ うん、縦糸と横糸、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、横糸を紡ぎ、縦糸を績いでいくの?
メグミ そうなの、縦糸を通し、横糸を徹していくの。
サトミ ……………………!!
CASE ヨハネ という イエス
サトミ 洗礼者の、ヨハネは、どんな使命が有ったの?
メグミ 彼はね、唯一神に倣い、救世主の型になるの。
サトミ じゃ、ヨハネが損われて、イエスも害われた?
メグミ そうよ、洗礼者が辿る道を、救世主も辿った。
サトミ 救世主の、イエスは、どんな使命が有ったの?
メグミ 彼はね、洗礼者に倣い、選民族の型になるの。
サトミ じゃ、イエスが損われて、ユダヤも害われた?
メグミ そうよ、救世主が辿る道を、選民族も辿った。
サトミ 選民族の、ユダヤは、どんな使命が有ったの?
メグミ 彼らは、救世主に倣い、全人類の型になるの。
サトミ じゃ、ユダヤが損われて、全人類も害われる?
メグミ そうよ、選民族が辿る道を、全人類も辿るの。
サトミ 即ち、悔い改めを説いた、洗礼者ヨハネを、
人類が、屠った時から、人類は亡ぶ運命なの?
メグミ そうだよ、世の人が罪を、悔い改めないなら、
最終の戦争、ハルマゲドンに、辿り着くのよ。
サトミ 洗礼者を、殺した人だけが、悪いんでしょ。
絶対に、自分は関係ない、巻き込まないでよ。
メグミ そうして、今まで誰も、悔い改めなかったよ。
サトミ ……………………
CASE ユダヤ という ナチス
サトミ 処刑者の、ヘロデは、どんな使命が有ったの?
メグミ 彼はね、堕天使に倣い、選民族の型になるの。
サトミ じゃ、ヘロデが迫るよう、ユダヤも害したの?
メグミ そうよ、領主が辿った道を、選民族も辿った。
サトミ 選民族の、ユダヤは、どんな使命が有ったの?
メグミ 彼らは、処刑者に倣い、征服者の型になるの。
サトミ じゃ、ユダヤが迫るよう、ナチスも害したの?
メグミ そうよ、選民が辿った道を、征服者も辿った。
サトミ 征服者の、ナチスは、どんな使命が有ったの?
メグミ 彼らは、選民族に倣い、全人類の型になるの。
サトミ じゃ、ナチスが迫るよう、全人類も害するの?
メグミ そうよ、狂気が辿った道を、全人類も辿るの。
サトミ 即ち、権力に驕り昂って、悔い改めないから、
遣って、遣り返される、これを繰り返すわけ?
メグミ そうだよ、すべては、自業自得に過ぎないの。
だから、悔い改めれば、繰り返さなくなるの。
サトミ なるほど、自業自得だね、良い気味じゃない。
悪い奴らは、悪い奴ら同士、潰し合っちゃえ!
メグミ そうして、今まで誰もが、巻き込まれたのよ。
サトミ ……………………