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物語編

第五章 第三七話 概念編

第五章    ソロモン
第三七回 制裁 の裏に 救済

 

制裁は、我が罪を持って、他に着せること
救済とは、他の罪を以って、我に帰せること
制裁は、裁いた者は裁かれる、業の仕組であり
救済とは、許した者は許される、法の仕組である

 

制裁とは、罪を重ねる、先例に従がうこと
例えば、我が目が潰されたら、仇の目を潰す
他に罪を着せる型が、更に罪を着せる形となり
罪の擦り合いに酔って、人間の災いが増えていく

 

救済とは、罪を重ねる、前例に逆らうこと
例えば、右の頬を打たれたら、左の頬を出す
己に罪を帰せる型が、更に罪を帰せる形となり
罪の負い合いに依って、世間の厄いが減っていく

 

ソロモンとは、知恵を授けられた王のこと
子を取り合う母達が、罪を更に重ねないため
敵を裁く母の方を裁き、その母から子を奪って
仇を許す母の法を許して、その母へと子を与えた

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