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物語編

第五章 第四一話 物語編

第五章    自由   と   平等
第四一話 自ら因を積む と 自ら果を得る

 

わたしが、王として、神の国を建設する前は、
この地は、人が喰い合う、弱肉強食の世界でした。
弱者は、奴隷に落され、強者が責任と変化を奪った。

 

私は、奴隷を解放して、自由と平等を与えた。
自らの意志で、生業を選ばせて、対価を得させた。
彼らは、こうして、自業と自得を、学ぶかに見えた。

 

しかし、真意を悟った者は、居ませんでした。
自由は、責任を負わない自由と、取り違えられて、
平等まで、変化を許さない平等と、擦り替えられた。

 

外側を締め付ける、拘束が取り除かれたのに、
内面に積み重なる、規則に取り付かれてしまった。
彼らは、安住し切り、もはや、外に出ようとしない。

 

換わることがない、身上を解き放たれたのに、
変わろうとしない、心情に取り憑かれてしまった

彼らは、堕落し切り、もはや、上に昇ろうとしない。

 

もとより、人類は、神の前で、自由かつ平等。
すべては、自業の自得、為したことしか返らない。
神は、人々の為すことを、何処までも見ておられる。

 

そうです、すべてを見通せる、神の目こそ象徴。
それを、観とめることも自由、認めないことも自由。

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