物語編
第五章 第四二話 物語編
第五章 資本 と 共産
第四二話 自由に集める と 平等に分ける
『しかし、あまりにも、悟るものが少ないため、
思い切って、彼らの手で、国を創らせてみました。
形として、見えるなら、認めざる得まいと、考えて。』
『人々に、自由を教えて、米の国が出来ました。
すると、人は米を実らせて、自由に蓄えて行った。
とはいえ、その米を養う分は、地から奪われ続けた。』
『師よ、地を肥さないで、米が実るでしょうか。
ところが、彼らは、無限に実ると考えてしまった。
強者は、強かになり、もはや弱者を救おうとしない。』
『人々に、平等を訓えて、露の国が出来ました。
すると、地に露が注がれて、平等に潤して行った。
とはいえ、その露に滴る水は、天から奪われ続けた。』
『師よ、天を拝まないで、露が降るでしょうか。
ところが、彼らは、無償で降ると考えてしまった。
弱者は、溺れていき、もはや強者に倣おうとしない。』
『自由と平等は、博愛を踏まえ、補い合うもの。
争い合うのは、両者を支える、神の愛が消えた証。
彼らは、神を忘れ去り、天命を損ねてしまいました。』
『そうです、世の中を巻き込む、冷戦こそが前兆。
此処で彼らは、覚めるべきでした、熱くなる手前で。』