物語編
第五章 第四三話 物語編
第五章 覇権 と 神権
第四三話 剣の力に拠る と 神の力に依る
『米の国が治めようと、露の国が治めようとも、
彼らが手に入れたものは、我が手に収まりました。
ええ、裏で操っているのは、どちらも同じですから。』
『二つの大国は、争いを装い、世界を巻き込み、
私は、労なく、富を集められるように為りました。
それは、総べて、神殿を建てるために使われました。』
『一切を、私が仕組んでも、良かったのですが、
その大半を、彼ら自らの手に、任かせてみました。
自ら積ませた方が、自らの罪に気づくかと、考えて。』
『人々に、親愛を教えて、国の連が出来ました。
すると、世の人は、友を愛すようにはなりました。
とはいえ、どの人も、敵を愛そうとしませんでした。』
『師よ、敵を愛さないで、敵が降るでしょうか。
ところが、彼らは、滅し尽せると考えてしまった。
戦いは、泥沼となり、もはや、後戻りは許されない。』
『妙なことに、彼らの誰もが、神を敬っていた。
神の力に訴えて、神の敵を殺す、友を誇っていた。
彼らは、神の力を謳って、神の愛を失っていました。』
『そうです、最終戦争に誘われる、同盟こそ予兆。
此処で彼らは、首を振るべきでした、目を覚まして。』