第五章 第三九話 対話編
CASE 自助 の裏に 神助
マナミ 自ら援ける、自助って、どういうものなの?
マサシ 自助とは、自らを援けて、罪を認めることさ。
マナミ 神が援ける、神助って、どういうものなの?
マサシ 神助とは、神に援けられ、罪が許されるのさ。
マナミ そうすると、原罪って、どういうものなの?
マサシ 原罪とは、欲を持つから、善を重ねることさ。
マナミ いつも、善を積み重ねると、悪に移り変るの?
マサシ そうだよ、独り善がりは、直ぐに悪になり、
反対に、他に善ければ、後から悪になるのさ。
マナミ それなら、わたしは、どうすれば良かったの?
何でも、罪になるなら、何をしても無駄なの。
マサシ その逆さ、罪を積んでも、悪くなかったんだ。
積みを、認めることが、何よりも重要なのさ。
マナミ 人が、行なうことなんて、五十歩百歩なのに、
それが、特別と思い込むと、独善に嵌るのね。
マサシ 自分から、罪を認めると、神から罪が許され、
それは、人を救う業として、活かされるんだ。
マナミ それなら、過去の罪って、無駄に為らないの?
マサシ そうさ、人の罪は神の業に、移り変わるのさ。
マナミ ……………………!!
CASE 自助 の先に 神助
サトミ 我が助ける、自助って、どういうものかな?
メグミ 自助とは、我が意をして、罪を認めることよ。
サトミ 心から、過ちを認めないと、どうなるのかな?
メグミ 隠すから、心が重くなり、神様に向えないよ。
サトミ 神様に、隠すものが有ると、どうなるのかな?
メグミ 心の中に、神様が居ると、認められないのよ。
サトミ 神が助ける、神助って、どういうものかな?
メグミ 神助とは、神の意をして、罪を認めることよ。
サトミ 心から、過ちを見とめると、どうなるのかな?
メグミ 明かして、心が軽くなり、神様を迎えるのよ。
サトミ 神様に、隠すことが無いと、どうなるのかな?
メグミ 我が中に、神様が居ると、見とめられるのよ。
サトミ 自助の段は、神様に向かい、過ちを認めて、
神助の階では、過ちを認めて、神様を迎える?
メグミ うん、自らが犯した罪を、心から認めれば、
いずれ、自らが隠した神を、心に認めるのよ。
サトミ 神に向い、過ちを見とめれば、許されるのに、
罪に感じて、向き合えなかった、だけなのね。
メグミ いつでも、神に助けられていたと、気づくの。
サトミ ……………………!!
CASE 自助 という 神助
サトシ あ~ん、誰か助けてよ、手が抜けないんだ。
マナミ どうして、抜けないのか、良く考えてみるの。
サトシ 木の窪みに、実を取ろうと、手を入れたんだ。
マナミ どうして、入ったものが、出せなくなるの?
サトシ 解からない、どうやっても、手が抜けないよ。
マナミ 助けたいけど、私が言うこと、信じられるの?
サトシ 信じるって、救ってくれるなら、信じるから。
マナミ あなたが、願っている様には、救われないの。
たとえ、思い通りじゃなくても、信じられる?
サトシ どうして、望んでいる様には、救われないの?
マナミ 心から、悔い改めない限り、繰り返すから。
先ず、自ら助けない限り、神は助けられない。
サトシ う~ん、思い通りでないと、何か嫌だなあ。
マナミ それなら、誰も救えない、自ら救うだけなの。
サトシ 解った、君を信じるからさ、早く助けてよ。
マナミ それじゃ、手の中の木の実を、手から放して。
そうすれば、あなたの手を、穴から出せるの。
サトシ それだと、何の為に入れたか、解からないよ。
マナミ 知恵の実を、手に入れたら、十分じゃないの?
サトシ ……………………!!
CASE 神助なき自助 と 自助なき神助
サトミ 自助と神助、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 自ら助ける、自助って、どういうものかな?
メグミ 自助とは、自力を持って、罪を改めることよ。
サトミ 神が助ける、神助って、どういうものかな?
メグミ 神助とは、神力を以って、罪を止めることよ。
サトミ 自助を望み、神助に臨まないと、どうなるの?
メグミ 神助なき自助なんて、バベルの塔に過ぎない。
サトミ じゃ、我に依るばかり、罪を重ねてしまうの?
メグミ いずれ、崩れ落ちたとき、衝撃が大きくなる。
サトミ 神助を望み、自助に臨まないと、どうなるの?
メグミ 自助なき神助なんて、エデンの園に過ぎない。
サトミ じゃ、神に頼るばかり、自ら考えないのかな?
メグミ いずれ、禁を犯したとき、傷心が激しくなる。
サトミ 自助だけでは、知恵を研き、生命を守れず、
神助ばかりでは、生命を護り、知恵を磨けず。
メグミ うん、自助と神助、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、神助に依り、自助に拠っていくの?
メグミ そうなの、自助に負い、神助を追っていくの。
サトミ ……………………!!
CASE ダ ビ デ
サトシ あのね、ダビデ王って、どういうものかな?
マサシ ダビデは、イスラエルの、二代目の王なのさ。
サトシ 一代目の王、サウルは、どうなったのかな?
マサシ サウルが、神に仕えると、栄えていたけど、
次第に、神に支えてしまい、枯れていったよ。
サトシ サウルは、自らの過ちを、改めなかったの?
マサシ 悔い改めず、悪霊に憑かれ、自決をしたのさ。
サトシ 創造主は、次の王として、ダビデを選んだの?
マサシ そうさ、無名の羊飼だった、彼を択んだのさ。
サトシ 二代目の王、ダビデは、どうなったのかな?
マサシ ダビデが、神に跪づくと、盛んでいたけど、
次第に、神に躓いてしまい、衰えていったよ。
サトシ ダビデは、自らの過ちを、革めなかったの?
マサシ 悔い改めて、自らは苦しみ、王国は栄えたよ。
サトシ なるほど、手本とはいえ、到らない所があり、
子孫たちに、足らない処は、託されて行くと。
マサシ そうだよ、完全に悔い改める、その日までね。
サトシ もしかして、現在も神様に、試されているの?
マサシ そうだよ、その自覚があれば、君も血統だね。
サトシ ……………………