ＣＡＳＥ　峻厳　の裏に　寛容

マナミ　ボアズ、峻厳の柱って、どういうものなの？
マサシ　峻厳とは、向かって、左に建つ柱のことだよ。
マナミ　じゃあ、神殿の左には、どんな柱が建つの？
マサシ　思考、峻厳、識別の順に、下から上まで昇る。
マナミ　つまり、思考を磨き上げて、識別に変わるの？
マサシ　うん、善悪を切り分ける、峻厳が必要なのさ。
マナミ　ヤキン、寛容の柱って、どういうものなの？
マサシ　寛容とは、向かって、右に建つ柱のことだよ。
マナミ　じゃあ、神殿の右には、どんな柱が建つの？
マサシ　感情、寛容、直観の順に、下から上まで昇る。
マナミ　つまり、感情を磨き上げて、直観に変わるの？
マサシ　うん、善悪を受け容れる、寛容が必要なのさ。
マナミ　厳しく、善悪を別つと、識別が研かれるし、
　　　　慈しんで、善悪を合すと、直観が磨かれるの？
マサシ　人類は、知恵の実を食べて、王国まで落ち、
　　　　手にした、知恵の力を活かし、王冠まで戻る。
マナミ　そっか、この説明を聞いて、良く解かったの。
　　　　でも、一般的な言葉遣いとは、違っていない？
マサシ　そこに、囚われるようでは、知恵が足りない。
マナミ　……………………

ＣＡＳＥ　峻厳　の先に　慈悲

サトミ　厳しく導く、峻厳って、どういうものかな？
メグミ　峻厳とは、思考を育てて、識別に変える柱よ。
サトミ　厳しいほど、分別が付くの、どうしてかな？
メグミ　無秩序で、曖昧な状態が、許されないからよ。
サトミ　自らが、どう感じるのかは、関係が無くて、
　　　　客観的に、どう観じるのかが、問題に為るの？
メグミ　そうよ、情緒を介さないで、厳しく育てると、
　　　　それだけ、思考は培われても、感情は歪むよ。
サトミ　優しく誘う、寛容って、どういうものかな？
メグミ　寛容とは、感情を育てて、直観に変える柱よ。
サトミ　優しいほど、情緒が付くの、どうしてかな？
メグミ　無制約で、自然な感情が、許されるからだよ。
サトミ　周りが、どう捕えるのかは、関係が無くて、
　　　　主観的に、どう捉えるのかが、問題に為るの？
メグミ　そうよ、分別を解さないで、優しく育てると、
　　　　それだけ、情緒は養われても、思考は曲るよ。
サトミ　つまり、感情を介して、分別を解していく。
　　　　そうして、人なるものは、知恵を研くわけね。
メグミ　まさに、こうしながら、生命の実に迫るのよ。
サトミ　……………………！！

ＣＡＳＥ　峻厳　と　均衡　と　慈悲

サトシ　救世主が、登場しないのは、どうしてかな？
マサシ　未だに、救世主の神殿が、建ってないからさ。
　　　　すべての、仕組が整うとき、救世主が現れる。
サトシ　右側の仕組、寛容の柱は、どのように組むの？
マサシ　世の人に、母のように、優しさを授けるのさ。
　　　　つまり、好きな物を与えて、自我を太らせる。
サトシ　左側の仕組、峻厳の柱は、どのように組むの？
マサシ　世の人に、父のように、厳しさを授けるのさ。
　　　　つまり、嫌いな物を与えて、自我を磨かせる。
サトシ　中央の仕組、均衡の柱は、どのように組むの？
マサシ　世の人に、王のように、美しさを授けるのさ。
　　　　つまり、全てを明かして、自我を諦めさせる。
サトシ　先ず、母性に養われて、優しさを味わって、
　　　　後から、父性に育まれて、厳しさを味わうの？
マサシ　このとき、父性を嫌がって、母性に甘えると、
　　　　最初に戻り、右側の柱を、建てることになる。
サトシ　そうして、釣り合せるため、左の柱を建てる。
　　　　う～ん、いつになったら、中央の柱が立つの？
マサシ　それこそ、このように、全て明かされた時さ。
サトシ　……………………！！

ＣＡＳＥ　慈悲なき峻厳　と　峻厳なき慈悲

サトミ　峻厳と寛容、どちらを、重んじるべきかな？
メグミ　どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ　苦い仕組み、峻厳って、どういうものかな？
メグミ　峻厳とは、厳しく導いて、知恵を研くことよ。
サトミ　甘い仕組み、寛容って、どういうものかな？
メグミ　寛容とは、優しく誘って、知恵を磨くことよ。
サトミ　峻厳を望み、寛容に臨まないと、どうなるの？
メグミ　寛容なき峻厳なんて、愚かな父に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、厳し過ぎるから、心が萎んでしまうの？
メグミ　そうよ、心が貧しくなり、感性が研けないよ。
サトミ　寛容を望み、峻厳に臨まないと、どうなるの？
メグミ　峻厳なき寛容なんて、愚かな母に過ぎないよ。
サトミ　じゃ、優し過ぎるから、心が弛んでしまうの？
メグミ　そうよ、心が卑しくなり、理性が磨けないよ。
サトミ　峻厳だけでは、感性を喪い、直観を損って、
　　　　寛容ばかりでは、理性を失い、識別を害うの？
メグミ　うん、峻厳と寛容、その両方が、必要なのよ。
サトミ　じゃあ、寛容を介し、峻厳に解していくの？
メグミ　そうなの、峻厳に依り、寛容に拠っていくの。
サトミ　……………………！！