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物語編

第五章 第五三話 問答編

マサシ ユダヤ教とは、どういうものですか?

 

アキラ ユダヤ教とは、モーセが説き明かした、
    唯一神・ヤハウェを信じる、宗教のこと。
    法を重んじて、「律法の書」を聖典とする。
    選民を自覚して、厳しい戒律を守ろうとする。

 

マサシ キリスト教は、どういうものですか?

 

アキラ キリスト教は、イエスが説き明かした、
    唯一神・ヤハウェを信じる、宗教のこと。
    愛を重んじて、「福音の書」を聖典とする。
    救世主を信仰し、憎むべき敵を許そうとする。

 

マサシ イスラム教は、どういうものですか?

 

アキラ イスラム教とは、ムハンマドが説いた、
    唯一神・ヤハウェを信じる、宗教のこと。
    知を重んじて、「コーラン」を聖典とする。
    自我を捧げ出し、神の前で完全な平等である。

 


 

ホダカ 真理を修めなければ、意味が無いですか?
    縁に感謝するだけでは、全く足りませんか?

 

マコト 真理とは、信じて確める、道理であり、
    信じて、確めなければ、意味が無いです。
    寧ろ、意味も解らず、真理を有り難がれば、
    それが、真実だろうと、幻想に成り下ります。

 

    例えば、武道の達人が、神業を披露し、
    その技に魅せられ、門を叩いたとします。
    いくら、師を崇拝し、縁を有り難がっても、
    未来永劫、同じ境地に、至る事は在りません。

 

    師と同じような、神業を修めたいなら、
    一寸の狂いもなく、正中線が通るように、
    型を繰り返して、違いを無くして行きます。
    寸分でも違えれば、神の如き力は宿りません。

 

    これと、同様に、神界に還りたいなら、
    天魔に惑わされず、中心線が徹るように、
    型に当て嵌めて、偏りを確かめて生きます。
    中道から外れれば、内なる神を見とめません。

 

ホダカ 総ての論点で、偏りを無くすのですか?

 

マコト 一歩ずつ、内なる神に近づけるように、
    体系立てて、漏れなく解き明かしてます。
    偏る論点とは、あなたの煩悩そのものです。
    従って、総ての偏りを直せば、神に還ります。

 

ホダカ 真理は全うしないと、意味が無いですか?
    摘み読みするだけでは、全く足りませんか?

 

マコト 真理とは、偏りを直せる、道理であり、
    直さず、避けていれば、意味が無いです。
    寧ろ、信じ易い処ばかり、法を摘むならば、
    もはや、確め難い所として、業を積んでます。

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