clear
clear
物語編

第五章 第五二話 対話編

CASE 男性 の裏に 女性

 

マナミ 男らしい性、男性って、どういうものなの?
マサシ 男性とは、突き詰める性、欲を司るものだよ。
マナミ 欲を持って、善を鍛えると、どうなるのかな?
マサシ 善を愛し、悪を憎むほど、知が実っていくよ。
マナミ ずっと、悪を悪み続ければ、知は研かれるの?
マサシ 無理だよ、悪を滅すれば、善も尽きてしまう。
マナミ 欲を解して、知を培うには、愛が必要なの?
マサシ 悪が善を育む、密命を愛すと、知が研かれる。
マナミ 女らしい性、女性って、どういうものなの?
マサシ 女性とは、受け容れる性、愛を司るものだよ。
マナミ 愛を以って、悪を認めると、どうなるのかな?
マサシ 善を譲り、悪を許すほど、命が実っていくよ。
マナミ ずっと、善を与え続ければ、命は磨かれるの?
マサシ 無茶だよ、善が尽きれば、悪も滅してしまう。
マナミ 愛を介して、命を養うには、知が必要なの?
マサシ 善が悪を生む、秘密を知ると、愛が磨かれる。
マナミ とすると、男性を研くには、女性が要るし、
    反対に、女性を磨くには、男性が要るのかな?
マサシ うん、同性を突き詰め、異性を受け容れるよ。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 男性 の先に 女性

 

サトミ 知恵を司る、男性って、どういうものかな?
メグミ 男性とは、知恵を培って、実らせる性なのよ。
サトミ 欲を表わす、知恵の実って、どんなものかな?
メグミ 知恵の実とは、性の因であり、命の果なのよ。
サトミ 知恵の実が、原因と為って、性が別れたの?
メグミ 性が別れると、知が養われる、命が増えるよ。
サトミ 知恵の実が、結果と成って、命が活きるの?
メグミ 人の命は、知を研くとき、本分が果されるよ。
サトミ 生命を司る、女性って、どういうものかな?
メグミ 女性とは、生命を養って、実らせる性なのよ。
サトミ 徳を現わす、生命の実って、どんなものかな?
メグミ 生命の実とは、命の因であり、性の果なのよ。
サトミ 生命の実が、原因と為って、命が具わるの?
メグミ 命が具わると、愛が育まれる、性が殖えるよ。
サトミ 生命の実が、結果と成って、性が活きるの?
メグミ 人の性は、愛を磨くとき、本分が果されるよ。
サトミ 男性で、欲を突き詰め、知を研き上げてから、
    女性では、徳で受け容れ、愛を磨き上げるの?
メグミ うふっ、人間の本分は、両性が揃ってこそよ。
サトミ ……………………!!

 


 

CASE 男性 と 人性 と 女性

 

サトシ 人らしい性、人間性は、どういうものなの?
アツシ 人間性は、自由が有って、責任が在ることだ。
サトシ じゃ、自由に突き詰め、責任を受け容れるの?
アツシ だから、男性と女性、二つの性に別れている。
サトシ 男らしい性、男性って、どういうものなの?
アツシ 男性とは、突き詰める性、欲の表れのことだ。
サトシ 欲を持って、突き詰めると、どうなるのかな?
アツシ 思いのままに、切り捨てると、不自然になる。
サトシ 女らしい性、女性って、どういうものなの?
アツシ 女性とは、受け容れる性、徳の現れのことだ。
サトシ 徳を以って、受け容れると、どうなるのかな?
アツシ 在りのままを、許し認めると、自然になるな。
サトシ 人間って、好きに生きても、良いんだけど、
    その責任は、必ず自分で、負わされるわけか。
アツシ ああ、自由に突き詰め、自然に受け容れる。
    これを、繰り返しながら、器を広げるわけだ。
サトシ なるほど、そういうことか、良く解かったよ。
    でもね、君に言われたら、何でも受け容れる。
アツシ 人間なら、突き詰めてから、受け容れてくれ。
サトシ ……………………!!

 


 

CASE 女性なき男性 と 男性なき女性

 

サトミ 男性と女性、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 能動を司る、男性って、どういうものかな?
メグミ 男性とは、欲を重んじて、突き詰める性だよ。
サトミ 受動を司る、女性って、どういうものかな?
メグミ 女性とは、徳を重んじて、受け容れる性だよ。
サトミ 男性を望み、女性に臨まないと、どうなるの?
メグミ 女性なき男性なんて、器が小さい男なのよ。
サトミ じゃ、突き詰めるだけ、受け容れないのかな?
メグミ そうよ、頭は艱しいけど、気も難しくなるよ。
サトミ 女性を望み、男性に臨まないと、どうなるの?
メグミ 男性なき女性なんて、頭が小さい女なのよ。
サトミ じゃ、受け容れるだけ、突き詰めないのかな?
メグミ そうよ、気は優しくても、頭も易しくなるよ。
サトミ 男性だけでは、知が充ちて、愛に欠けるし、
    女性ばかりでは、愛が足りて、知に乏しいの?
メグミ うん、男性と女性、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、女性を究め、男性を極めていくの?
メグミ そうだよ、男性を超え、女性を越えていくの。
サトミ ……………………!!

 


 

CASE ア ダ ム

 

サトシ あのね、アダムって、どういう人なのかな?
マサシ アダムは、ヘブライ語、赤土という意味だよ。
    彼はね、全人類の祖先で、最初の男性なのさ。
サトシ アダムを、どのように、神様は創ったのかな?
マサシ 神様は、神の姿に似せて、土を捏ね上げて、
    土塊から、アダムを創って、息を吹き込んだ。
サトシ そうすると、父なる神が、魂を入れないと、
    人の体は、土に過ぎないと、そういうことか。
マサシ そうさ、神の傍に居なければ、息が続かない。
    少しでも、離れてしまえば、土に還っていく。
サトシ 確かに、神の姿に似せて、創られたけれど、
    形だけの、唯の生き写しに、過ぎないんだね。
マサシ そうさ、神が命を授けないと、生きられない。
    下された、命を果すだけの、天使に過ぎない。
サトシ そっか、永遠の命は有るけど、自由が無い。
    自ずから、知恵を磨けない、傀儡に過ぎない。
マサシ そこで、アダムを助ける、エヴァが創られた。
サトシ ようやく、男女が揃うから、命が続くのかな。
マサシ 何でも、突き詰めるのが、男性というものさ。
サトシ ……………………!!

 


 

CASE エ ヴ ァ

 

サトシ あのね、エヴァって、どういう人なのかな?
マサシ エヴァは、ヘブライ語、生命という意味だよ。
    彼女は、全人類の祖先で、最初の女性なのさ。
サトシ エヴァを、どのように、神様は創ったのかな?
マサシ 神様は、アダムを眠らせ、骨を取り出して、
    肋骨から、エヴァを創って、彼に遣わせたよ。
サトシ そうすると、男性と女性、両性が揃ったから、
    吐き出すから、吸い込める、呼吸が出来ると。
マサシ そうさ、男性で突き詰め、女性が受け容れる。
    こうして、自由意志が、人類に具わったのさ。
サトシ そっか、呼吸が出来れば、自立が出来るから、
    神様から、少しは離れても、生きていけると。
マサシ ここで、自由に突き詰め、責任を受け容れる。
    ようやく、人間の種として、独立したわけさ。
サトシ たとえ、命を果たさずに、神から離れようと、
    性により、命を繋ぐことが、出来るわけだね。
マサシ そうさ、神が居ない間に、魔に付け込まれた。
サトシ エヴァは、蛇の誘惑で、知恵の実を食べたね。
マサシ 何でも、受け容れるのが、女性というものさ。
サトシ ……………………

 

コメントを残す

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。