物語編
第六章 第三話 物語編
第六章 宿命 と 運命
第三話 変わらない業 と 変えられる業
「私から、与えられる証は、神の言だけである。
法徳よ、汝には、まだ、真の信仰を解いていない。
秘められし奥義を、此れから解くから、心して聞け。」
「この世は、カルマで編んだ、カーラが流れる。
カルマは神の意思、そして、カーラとは神の仕組。
神が創りし世に、要らぬ物など、何一つとしてない。」
「君が犯した罪でさえ、実は神の手の内にある。
神が赦しているのに、何を悲しむことが在ろうか。
悲しむ心が罪を生んで、詰んだ心が神を裁くと知れ。」
「渋々と、神の御心に従えば、労苦の地を巡り、
嬉々として、神の仕組に順えば、歓喜の園に還る。
すべてを、神に委ねるならば、輪廻が涅槃に変わる。」
「法徳よ、汝には、天下人の使命が宿っている。
覇王の業を持つ限り、聖戦の道を進まざる得ない。
神が汝に与えた使命は、敵を滅ぼす試練と、心得よ。」
「民を煽り国を滅ぼす者を、屠りに行くがいい。
遣らねば汝は成らないし、遣らない訳に行かない。
迷うことはない、神の意思をして、己の意志とせよ。」