第六章 第二話 対話編
CASE 因業 の裏に 修業
マナミ ねぇ、カルマ、因業は、どういうものなの?
マサシ 因業は、カルマに塗れる、カルマのことだよ。
マナミ じゃ、カルマを積んで、カルマが重なるの?
マサシ そうさ、業が因と為って、業が業を招じるよ。
マナミ ねぇ、ダルマ、修業は、どういうものなの?
マサシ 修業は、カルマを越える、カルマのことだよ。
マナミ じゃ、カルマを摘んで、カルマを越えるの?
マサシ そうさ、業が法と成って、業が業を修めるよ。
マナミ 因業にせよ、修業にしても、同じ業なのに、
カルマになり、ダルマになる、仕組なのかな?
マサシ 捕われると、カルマとなり、業に流されて、
囚われないと、ダルマとなり、業を越えるよ。
マナミ 過去からの、流れに流されると、因業になり、
流される、流れに逆らうとき、修業になるの?
マサシ そうさ、同じ道を選んでいると、因業になり、
逆に、違う道を択んでみると、修業になるよ。
マナミ 慣れた道に、甘えていたら、いけないのね。
こんなに、厳しい教えは、聞いた事なかった。
マサシ ここで、戻ればカルマ、進めばダルマになる。
マナミ ……………………!!
CASE 因業 の先に 修業
サトミ 業に塗れる、因業って、どういうものなの?
メグミ 因業とは、因果を介して、因果に塗れるのよ。
サトミ 何度も、同じ道を選ぶほど、どうなるのかな?
メグミ 業となり、因と果が分からず、当然になるよ。
サトミ 果が生じた、因が解からず、因を選べないの?
メグミ そうだよ、感情に流され、因果に縛られるよ。
サトミ 業を越える、修業って、どういうものなの?
メグミ 修業とは、因果を解して、因果を越えるのよ。
サトミ 今度は、異なる道を択ぶと、どうなるのかな?
メグミ 法となり、因と果が分かって、自然になるよ。
サトミ 果が生じた、因が解かって、因を選べるの?
メグミ そうだよ、感情に溺れず、因果が解かれるよ。
サトミ 感に溺れ、同じ道を選ぶと、業と変わるし、
情に逆らい、違う道を択ぶと、法と換わるの?
メグミ そうだよ、当然という、実感に溺れる限り、
因業になり、同じことを、繰り返してしまう。
サトミ 当り前と、思っているほど、因業になるし、
有り難いと、想っているほど、修業になるの?
メグミ 感謝するほど、業が解ける、法に変わるのよ。
サトミ ……………………!!
CASE 業 と 欲 と 法
マナミ ねぇ、カーマ、欲って、どういうものなの?
マサシ 欲とは、どちらか一方を、良く見ることだよ。
マナミ じゃ、カルマ、業って、どういうものなの?
マサシ 業とは、カーマに塗れる、カーマのことだよ。
マナミ じゃ、ダルマ、法って、どういうものなの?
マサシ 法とは、カーマを越える、カーマのことだよ。
マナミ これって、具体的に言えば、どういうこと?
マサシ 本来は、左と右は等しく、どちらでも良いが、
カーマに、塗れるほど、どちらかが良くなる。
マナミ 例えば、右を善く見ると、左が悪く見えるの?
マサシ そうだよ、これが、カーマ、欲に従ったのさ。
このように、見ていることを、良いと思うと?
マナミ さらに、右が善く見えて、左が悪く見える。
マサシ そうだよ、これが、カルマ、欲に塗れたのさ。
このように、見ていることを、悪いと想うと?
マナミ 今度は、右が善く見えず、左が悪く見えない。
マサシ そうだよ、これが、ダルマ、欲を越えたのさ。
マナミ そっか、欲を持って、欲を越える、仕組みね。
マサシ こうして、法を説いて、業を解くしかないよ。
マナミ ……………………!!
CASE 修業なき因業 と 因業なき修業
サトミ 因業と修業、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 業に慣れる、因業って、どういうものかな?
メグミ 因業とは、当り前と見て、業が固まることよ。
サトミ 業を改める、修業って、どういうものかな?
メグミ 修業とは、有難いと見て、業が溶けることよ。
サトミ 因業を望み、修業に臨まないと、どうなるの?
メグミ 修業なき因業なんて、唯の習性に過ぎないよ。
サトミ じゃ、業が固まっても、業が溶けないのかな?
メグミ そうよ、業に慣れるだけ、業が改まらないよ。
サトミ 修業を望み、因業に臨まないと、どうなるの?
メグミ 因業なき修業なんて、只の修正に過ぎないよ。
サトミ じゃ、業が溶けようと、業が固まらないかな?
メグミ そうよ、業を改めるだけ、業に慣れないのよ。
サトミ 因業だけでは、有り触れて、当り前になり、
修業ばかりでは、在り難くて、有り難くなる。
メグミ うん、因業と修業、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、修業を究め、因業を極めていくの?
メグミ そうなの、因業を超え、修業を越えていくの。
サトミ ……………………!!
CASE ダ ル マ
サトシ あのね、ダルマって、どういうものなのかな?
マサシ ダルマは、梵語であり、様々な意味があるよ。
だから、一言では言えず、条件で分けるのさ。
サトシ それなら、理で別けるとき、どうなるのかな?
マサシ 修めるべき、法則という、意味が表われるよ。
サトシ それなら、命で別けるとき、どうなるのかな?
マサシ 果たすべき、使命という、意味が現われるよ。
サトシ それなら、義で別けるとき、どうなるのかな?
マサシ 勧めるべき、正義という、意味が表われるよ。
サトシ それなら、役で別けるとき、どうなるのかな?
マサシ 努めるべき、本分という、意味が現われるよ。
サトシ すべてに、「べき」という、意味が顕われる。
マサシ ダルマとは、「当為」であり、神の意なのさ。
サトシ ダルマに、多様なる意味が、含まれるのは、
真我の意に、多彩なる意味が、有るからなの?
マサシ そうだよ、ダルマによって、神に誘われて、
誘われると、神によって、ダルマが導かれる。
サトシ なるほど、ダルマを辿れば、神に還るわけか。
マサシ 在りのまま、臨みたいのなら、辿ればいいよ。
サトシ ……………………!!