第六章 第十二話 対話編
CASE 動性 の裏に 善性
マナミ ねぇ、ナーディ、管って、どういうものなの?
マサシ 管とは、暗性を用いて、固めているものだよ。
マナミ 管は、気を通す道で、流れ方を決めているの?
マサシ そうさ、因と果を結び、心を縛り付けるのさ。
マナミ この条件では、暗性って、どういうものなの?
マサシ 暗性とは、固定を司る、理を固める性質だよ。
マナミ この条件では、動性って、どういうものなの?
マサシ 動性とは、否定を司る、害を固める性質だよ。
マナミ この条件では、善性って、どういうものなの?
マサシ 善性とは、肯定を司る、利を固める性質だよ。
マナミ 管に於いて、暗性が強くなると、どうなるの?
マサシ 少しずつ、慣れが固まるから、管が固くなる。
マナミ 管に於いて、動性が強くなると、どうなるの?
マサシ 少しずつ、焦りが固まるから、管が脆くなる。
マナミ 管に於いて、善性が強くなると、どうなるの?
マサシ 少しずつ、良くが固まるから、管が柔くなる。
マナミ つまり、暗性とは、管を固めるものだけど、
動性が強いと頑固に、善性が強いと柔軟なの?
マサシ そうさ、こうして、因果を決めるものなのさ。
マナミ ……………………!!
CASE 動性 の先に 善性
サトミ 厭くなる性、動性って、どういうものかな?
メグミ 動性とは、暗性で切ると、嫌に捕えるものよ。
サトミ 良くなる性、善性って、どういうものかな?
メグミ 善性とは、暗性で切ると、好く捕えるものよ。
サトミ う~ん、良く解らない、どういうことかな?
メグミ そもそも、暗性とは、固定を司るものなの。
この世界を、固定で切ると、どうなると思う?
サトミ 嫌いと見るか、好きと見るか、そう見えるよ。
メグミ 善性と比べ、動性が優ると、どうなると思う?
サトミ 世の中を、より嫌な方に、捕えると想うよ。
メグミ 動性と較べ、善性が勝ると、どうなると思う?
サトミ 世の中を、より好い方に、捉えると想うよ。
メグミ 動性の段は、捕え方が、嫌う方に向かうし、
善性の階では、捉え方が、好む方に向かうの。
サトミ つまり、暗性を、無意識に、隠していると、
意識的に、動性と善性が、現れてくるわけね。
メグミ そうよ、動性と善性の差を、捕え続けている。
サトミ うん、難しく見えたけど、易しく見えたよ。
メグミ うふっ、もう、そんな風に、嫌わないでよね。
サトミ ……………………!!
CASE ナ ー デ ィ
サトシ あのね、ナーディって、どういうものかな?
マサシ それはね、体に通っている、管のことなのさ。
サトシ 人の体には、どれくらい、管が通っているの?
マサシ 全て数えると、七万二千本、通っているのさ。
サトシ 多すぎるよ、大変だから、少しだけ教えてよ。
マサシ 主要なものは、十四の管が、通っているのさ。
サトシ 多すぎるよ、大変だから、もっと減らしてよ。
マサシ 代表なものは、三つの管が、通っているのさ。
サトシ スシュムナーと、呼ぶ管って、どういうもの?
マサシ 中央を通って、神性を司り、頭頂に至るのさ。
サトシ ピンガラと、呼ばれる管って、どういうもの?
マサシ 右から始まり、男性を司り、眉間に至るのさ。
サトシ イダーって、呼ばれる管って、どういうもの?
マサシ 左から始まり、女性を司る、眉間に至るのさ。
サトシ この考え方、他所の文化にも、聞いた事ある。
マサシ そうだね、あらゆる教えで、説かれているよ。
サトシ う~ん、いかなる所でも、同じ型が解かれる。
これこそ、真理の証である、そういう事かな?
マサシ 楽しい時は、簡潔に知りたい、こういう事さ。
サトシ ……………………
CASE 善性なき動性 と 動性なき善性
サトミ 動性と善性、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 厭くなる性、動性って、どういうものかな?
メグミ 動性とは、暗性を介すと、嫌いと解すものよ。
サトミ 良くなる性、善性って、どういうものかな?
メグミ 善性とは、暗性を介すと、好きと解すものよ。
サトミ 動性を望み、善性に臨まないと、どうなるの?
メグミ 善性なき動性なんて、唯の瞋恚に過ぎないよ。
サトミ じゃ、好くなると思わず、嫌に捕われるの?
メグミ そうよ、嫌になると想って、瞋に囚われるよ。
サトミ 善性を望み、動性に臨まないと、どうなるの?
メグミ 動性なき善性なんて、只の貪欲に過ぎないよ。
サトミ じゃ、嫌になると思わず、好に捕われるの?
メグミ そうよ、好くなると想って、貪に囚われるよ。
サトミ 動性だけでは、愛を認めない、瞋を抱くし、
善性ばかりでは、憎を認めない、貪を擁くの?
メグミ うん、動性や善性、そのどちらも、必要なの。
サトミ じゃあ、動性を究めて、善性を極めていくの?
メグミ うん、動性を超えて、善性を越えていくのよ。
サトミ ……………………!!