第一章 第一話 問答編
マサシ 虚無(キョム)は、どういうものですか?
アキラ 虚無とは、実体なき、闇のことである。
あらゆる色、あらゆる意味が否定されて、
実感が無さ過ぎて、実体が消え去ったもの。
人は、意味を食らう、闇を恐れて色を求める。
マサシ 虚空(コクウ)は、どういうものですか?
アキラ 虚空とは、実体なき、光のことである。
あらゆる色、あらゆる意味が肯定されて、
実感が有り過ぎて、実体が掻き消えたもの。
人は、意味を満たす、光を畏れて色を重ねる。
マサシ どうして、一元なのに、段階があるのですか?
アキラ 二元は、Aと非Aに分けた状態であり、
一元とは、Aと非Aを合せた状態である。
Aも非Aも否定すると、無なる一元になり、
Aも非Aも肯定するとき、空なる一元になる。
否定して至ったか、肯定して到ったか、
同じ一元であっても、差が埋まれている。
即ち、どれだけ、経験(肯定)してきたか、
その器が異なると、到る一元が変わって来る。
メグミ 「キワメル」を「究める」や「極める」
「ムクイル」を「報いる」や「酬いる」等。
どのように、使い分けを、しているのですか?
マコト もともと、同じ意味で、使っていても、
知恵の実を食べた人類は、善悪に解して、
次第に、善い意味と悪い意味に、別ちます。
陰と陽に別れる様を、二つの言葉で示します。
例えば、「飽く」と「空く」のように、
特に、陰と陽に、概念が分かれることで、
重要な違いが生じて、問題が生じるものは、
丁寧に定義をすることで、使い分けています。
ムツ どのような教えが、説かれているのですか?
マコト 大峠を越えて、弥勒の世を迎えるため、
その雛型となる、菩薩を育てる教えです。
衆生向けではなく、菩薩向けの訓えであり、
今まで隠されていた、教えが解かれています。
ムツ どのような人々が、招かれているのですか?
マコト この大改革の時代に、菩薩になるため、
正神に、鍛え抜かれた、因縁の御魂です。
神に、救って欲しいとは、全く考えません。
献身し、使って頂きたいと、待ち構えてます。
ムツ どのような使命を、授かっているのですか?
マコト 世の九分九厘が、天人に支配される中、
一厘の仕組を修め、天人の師となること。
天人を越える菩薩が、人間の中に現われて、
漸く、天人は悔い改め、三千世界が変ります。
シナノ 返事が無いのですが、拒否されて居ますか?
マコト この地は、正神が直々に治めています。
正なる神は、人に応じる事は在りません。
ですから、返しは無いものと考えて下さい。
真理を読み、現れる答えこそ、その応えです。
シナノ 人に応じ、あなたが答えている、ようですが。
マコト 人と神の間に、誰かが入り込むことは、
間が開いて、空く魔が入り込むことです。
ですから、私は居ないものと考えて下さい。
質疑を読み、感じる答えこそ、その応えです。
シナノ 正神が司る、真理を納めた、神社ですか?
マコト 邪魔になる、不要なものを取り除いて、
弥勒のために、必要なものを集めました。
これは、訪れるものにも、当て嵌まります。
不要なものは尋ねず、必要なものが訪ねます。
ミカワ すべての質問に、答えないのは、何故ですか?
マコト ここは、弥勒の世を、迎えるに当たり、
根源神が、直々に、菩薩を育てる社です。
ここで、弥勒菩薩が、新たに生れなければ、
立て直しが、失敗するため、極めて厳格です。
従がって、この社では、わたしを含め、
どんな我も、出すことが、許されません。
誰であれ、我に臨んで、神を望まないなら、
自ずと、近づけなくなる、仕掛けが在ります。
ここに、納められた、教えに関しても、
人の心を、外に向けて、内に対わせない、
つまり、我ばかり喜んで、神が嘆くような、
人気取り、気休めの訓えは、説かれてません。
すでに、納められている、真理を読み、
厳しいと、思われた場合は、無理をせず、
外の世界に、望まれると、優しいでしょう。
個の我に、相応しい教えが、見つかる筈です。