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物語編

第六章 第十四話 対話編

CASE 左道 の裏に 右道

 

マナミ 楽を味わう、左道って、どういうものなの?
マサシ 左道とは、快楽を味わい、暗性を高める道さ。
マナミ 暗性の気が、左管を通って、昇って行くの?
マサシ 浄化するほど、高次元の、使い方が出来るよ。
マナミ 暗性の気を、下手に遣うと、どうなるのかな? 
マサシ 自我のために、暗性を使って、囚われるのさ。
マナミ 暗性の気を、上手に遣うと、どうなるのかな?
マサシ 真我のために、暗性を使って、巡らせるのさ。
マナミ 苦を味わう、右道って、どういうものなの?
マサシ 右道とは、苦悩を味わい、動性を高める道さ。
マナミ 動性の気が、右管を通って、昇って行くの?
マサシ 浄化するほど、高次元の、使い方が出来るよ。
マナミ 動性の気を、下手に遣うと、どうなるのかな?
マサシ 自我のために、動性を使って、捕われるのさ。
マナミ 動性の気を、上手に遣うと、どうなるのかな?
マサシ 真我のために、動性を使って、廻らせるのさ。
マナミ 苦も楽も、我が為に使えば、囚われるだけ、
    反対に、世の為に遣えば、巡らせるだけなの?
マサシ うん、それを見極めて、初めて中道に入れる。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 左道 と 中道 と 右道

 

サトシ 左管を進む、左道って、どういうものかな?
アツシ 左道とは、快楽を望んで、楽行に臨むことだ。
サトシ 楽を味わい、楽に捕われると、どうなるの?
アツシ 左管が詰まり、暗性の気が、流れ難くなるな。
サトシ 楽を味わい、楽に囚われないと、どうなるの?
アツシ 詰りが取れて、暗性の気が、流れ易くなるな。
サトシ 右管を進む、右道って、どういうものかな?
アツシ 右道とは、苦痛を望んで、苦行に臨むことだ。
サトシ 苦を味わい、苦に捕われると、どうなるの?
アツシ 右管が詰まり、動性の気が、流れ難くなるな。
サトシ 苦を味わい、苦に囚われないと、どうなるの?
アツシ 詰りが取れて、動性の気が、流れ易くなるな。
サトシ 中央を進む、中道って、どういうものかな?
アツシ 中道とは、出離を望んで、修行に臨むことだ。
サトシ 苦楽を知り、空に捕われると、どうなるの?
アツシ 中央管が詰り、善性の気が、流れ難くなるな。
サトシ 苦楽を知り、空に囚われないと、どうなるの?
アツシ 詰りが取れて、善性の気が、流れ易くなるな。
    この教えも、捕われると、管を詰まらせるぞ。
サトシ ……………………!!

 


 

CASE 右道なき左道 と 左道なき右道

 

サトミ 左道と右道、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 楽を究める、左道って、どういうものかな?
メグミ 左道とは、良くを味わい、左管を通すことよ。
サトミ 苦を極める、右道って、どういうものかな?
メグミ 右道とは、飽くを味わい、右管を通すことよ。
サトミ 左道を望み、右道に臨まないと、どうなるの?
メグミ 右道なき左道なんて、唯の楽行に過ぎないよ。
サトミ じゃ、快楽だけ味わい、苦悩を味わわないの?
メグミ そうよ、苦楽を均せずに、中道に気づけない。
サトミ 右道を望み、左道に臨まないと、どうなるの?
メグミ 左道なき右道なんて、只の苦行に過ぎないよ。
サトミ じゃ、苦悩だけ味わい、快楽を味わわないの?
メグミ そうよ、苦楽を均せずに、中道に気づけない。
サトミ 左道だけでは、楽に偏って、空を悟れないし、
    右道ばかりでは、苦に偏って、空を悟れない。
メグミ うん、左道と右道、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、左道を究めて、右道を極めていくの?
メグミ うん、左道を超えて、右道を越えていくのよ。
サトミ ……………………!!

 


 

CASE タ ン ト ラ

 

サトシ あのね、タントラって、どういうことかな?
マサシ それはね、すべてを肯定する、道のことだよ。
サトシ 中道だけでなく、左道も右道も、肯定するの?
マサシ そうさ、両道を介さないと、中道を解せない。
サトシ 楽を究める、左道って、どういうものかな?
マサシ 左道とは、良くを持って、味著を極める道さ。
サトシ 苦を究める、右道って、どういうものかな?
マサシ 右道とは、飽くを持って、過患を極める道さ。
サトシ 空を究める、中道って、どういうものかな?
マサシ 中道とは、解くを持って、出離を極める道さ。
サトシ う~ん、こんなの初めから、中道に入れたら、
    そもそも、左道や右道なんて、必要が無いよ。
マサシ そうさ、でも、既に誰もが、脇に逸れている。
    実際、そういう君だって、左右に外れている。
サトシ 嘘だよ、僕は真っ直ぐ、中道を進んでいるよ。
マサシ ほら、外れていることに、自覚が無いんだ。
    だから、半端ではなく、完全に肯定するのさ。
サトシ それって、僕が半端って、言いたいのかな?
マサシ それを、認める所から、タントラは始まるよ。
サトシ ……………………!!

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