物語編
第六章 第二四話 物語編
第六章 創造 と 想像
第二四話 梵の意が巡る と 魔の意が廻る
[これが、私の役目なのかなって、思っている。
でもね、あなたに近づけるなら、それで良かった。
ひたすら、神の御使いをして、遠い日の罪を浄めた。]
[そうそう、初めて、法徳君に出会ったのって、
智徳君に出会ってから、二十生くらいだったかな。
貴方達って、いつも一緒だったから、羨ましかった。]
[ああ、でも、そんな気楽な関係じゃないのは、
私も近くで見ていたから、良く解っている積もり。
神様に、ありとあらゆる縁、演じさせられてたよね。]
[少しでも、我が入れば、引き揚げさせられる。
神の使徒って、斯も厳しい、苛酷なる使命だけど、
労を喜んで、罪を浄めて、ここまで辿り着きました。]
[貴方達、二人に出会って、もう何生経ったか、
正確に、数え切れてないけど、数万生くらいかな。
ようやく、こんなに近くに、生まれることが出来た。]
[私が、どれだけ喜んだか、想像が出来ますか。
でも、あなた達は、呑気に忘れてしまっているし、
こんなこと、私から、打ち明けたりも出来なかった。]
[今日、こうして、背を押して貰えなかったら、
この先も、私の秘密は、隠され続けたままだった。
今日の彼は、神様からの御使い、そのものだったの。]