第六章 第二十話 対話編
CASE 祈念 の裏に 怨念
マナミ 腹部の車輪、餓鬼界は、どういうものなの?
マサシ 餓鬼界は、欲界の第四層、執念の世界なのさ。
マナミ 念の良い所、祈念って、どういうものなの?
マサシ 祈念とは、願いを適えて、念で楽しむことさ。
マナミ 念を使って、理想を望んで、自ずと楽しむの?
マサシ 念が届く、念の喜び故に、突き進んで行くよ。
マナミ じゃあ、執念を楽しむほど、念に捕われるの?
マサシ そうだよ、念を望むから、幽霊に臨んでいく。
マナミ 念の悪い処、怨念って、どういうものなの?
マサシ 怨念とは、憂いを叶えて、念で苦しむことさ。
マナミ 念に疲れて、現実に臨んで、自ずと苦しむの?
マサシ 念を挫く、念の憂い故に、引き返して来るよ。
マナミ じゃあ、執念に苦しむほど、念に囚われない?
マサシ そうだよ、念に厭くから、幽霊が空いてくる。
マナミ つまり、執念で楽しんだ分、執念で苦しめば、
自ずから、幽霊の世界を、乗り越えられるの?
マサシ そうさ、餓鬼界の仕組みを、学び終えるのさ。
マナミ それでも、そうじゃない気が、わたしはする。
マサシ そんなこと、言っていると、まだまだ先かな。
マナミ ……………………
CASE 祈念 の先に 怨念
サトミ 祈り念じる、祈念って、どういうものかな?
メグミ 祈念とは、執念を持って、先に楽しむことよ。
サトミ 先に於いて、念を楽しむと、どうなるのかな?
メグミ 念の喜び故に、我が強くなり、多く望むのよ。
サトミ 更に多くの、念を求めると、どうなるのかな?
メグミ 前よりも、楽しみ難くて、苦しみが増えるの。
サトミ 怨み念じる、怨念って、どういうものかな?
メグミ 怨念とは、執念を以って、後で苦しむことよ。
サトミ 後に於いて、念に苦しむと、どうなるのかな?
メグミ 念の憂い故に、我が弱くなり、寡く望むのよ。
サトミ 更に少ない、念を求めると、どうなるのかな?
メグミ 前よりも、苦しみ難くて、楽しみが殖えるの。
サトミ つまり、我が楽しめるなら、望みが増えて、
殖えすぎ、我を苦しめるなら、望みが減るの?
メグミ そうよ、器に収まるまでは、楽しめるけど、
多すぎて、器を溢れてくると、苦しめられる。
サトミ なるほどね、念に囚われて、念を望むかぎり、
祈念と怨念を、繰り返し、行き来するわけね。
メグミ 使えるほど、疲れてしまう、念の仕組みなの。
サトミ ……………………!!
CASE 腹 部 チ ャ ク ラ
サトシ 腹部に在る、チャクラは、どういうものかな?
マサシ 意志を介して、念を解する、二元の世界だよ。
サトシ 念に関して、善悪に分けると、どうなるの?
マサシ 祈念と怨念を、繰り返している、餓鬼界だよ。
サトシ 念を善いと、捉えて行くほど、どうなるの?
マサシ 少しずつ、祈念の道を進み、念を好いて行く。
サトシ 念を悪いと、捕えて来るほど、どうなるの?
マサシ 少しずつ、怨念の道を戻り、念を嫌って来る。
サトシ 善や悪には、念を認めないと、どうなるの?
マサシ もう一度って、祈念の道を、進んで逝くのさ。
サトシ 善も悪にも、念を見とめると、どうなるの?
マサシ もう十分って、諦念の道に、昇って行くのさ。
サトシ 餓鬼界では、思念を磨く、繰り返しだけど、
肯い過ぎても、否み過ぎても、捕らわれるの?
マサシ うん、どちらに、偏り過ぎても、囚われるよ。
サトシ 念って、軽んじても、捕われてしまうんだね。
マサシ 必ず、失望に向うけど、希望を重んじるのさ。
サトシ そっか、念に関して、巧い使い方が有るのか。
マサシ うん、それを悟るまで、餓鬼に生れ変わるよ。
サトシ ……………………!!
CASE 怨念なき祈念 と 祈念なき怨念
サトミ 祈念と怨念、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 餓鬼の入口、祈念って、どういうものかな?
メグミ 祈念とは、念に捕われて、念を使えることよ。
サトミ 餓鬼の出口、怨念って、どういうものかな?
メグミ 怨念とは、念に囚われて、念に疲れることよ。
サトミ 祈念を望み、怨念に臨まないと、どうなるの?
メグミ 怨念なき祈念なんて、幽鬼の器に余るだけよ。
サトミ じゃ、使えるだけでは、器を溢れてしまうの?
メグミ そうよ、苦しみが過ぎて、出口から逃げるよ。
サトミ 怨念を望み、祈念に臨まないと、どうなるの?
メグミ 祈念なき怨念なんて、幽鬼の器に欠けるのよ。
サトミ じゃ、疲れるだけでは、器に至っていないの?
メグミ そうよ、楽しみが足りず、入口にも立てない。
サトミ 祈念だけでは、念を楽しみ、餓鬼に入って、
怨念ばかりでは、念に苦しみ、餓鬼を出るの?
メグミ うん、祈念と怨念、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、祈念を究めて、怨念を極めていくの?
メグミ うん、祈念を超えて、怨念を越えていくのよ。
サトミ ……………………!!