clear
clear
物語編

第六章 第二二話 対話編

CASE 正義 の裏に 不義

 

マナミ 咽喉の車輪、修羅界は、どういうものなの?
マサシ 修羅界は、欲界の第二層、義憤の世界なのさ。
マナミ 義の良い所、正義って、どういうものなの?
マサシ 正義とは、勝ちが通じて、義で楽しむことさ。
マナミ 義を使って、正統を望んで、自ずと楽しむの?
マサシ 義を語る、義の喜び故に、突き進んで行くよ。
マナミ じゃあ、義憤を楽しむほど、義に捕われるの?
マサシ そうだよ、義を望むから、修羅に臨んでいく。
マナミ 義の悪い処、不義って、どういうものなの?
マサシ 不義とは、勝ちが通じず、義で苦しむことさ。
マナミ 義に疲れて、異端に臨んで、自ずと苦しむの?
マサシ 義を騙る、義の憂い故に、引き返して来るよ。
マナミ じゃあ、義憤に苦しむほど、義に囚われない?
マサシ そうだよ、義に厭くから、修羅が空いてくる。
マナミ つまり、義憤で楽しんだ分、義憤で苦しめば、
    自ずから、修羅の世界を、乗り越えられるの?
マサシ そうさ、修羅界の仕組みを、解き終えるのさ。
マナミ あなたと、わたしとでは、価値観が違うの。
マサシ そんなこと、言っていると、まだまだ先かな。
マナミ ……………………

 


 

CASE 正義 の先に 不義

 

サトミ 義が正しい、正義って、どういうものかな?
メグミ 正義とは、義憤を持って、先に楽しむことよ。
サトミ 先に於いて、義を楽しむと、どうなるのかな?
メグミ 義の喜び故に、我が強くなり、多く望むのよ。
サトミ 更に多くの、義を求めると、どうなるのかな?
メグミ 前よりも、楽しみ難くて、苦しみが増えるの。
サトミ 義に逆らう、不義って、どういうものかな?
メグミ 不義とは、義憤を以って、後に苦しむことよ。
サトミ 後に於いて、義に苦しむと、どうなるのかな?
メグミ 義の憂い故に、我が弱くなり、寡く望むのよ。
サトミ 更に少ない、義を求めると、どうなるのかな?
メグミ 前よりも、苦しみ難くて、楽しみが殖えるの。
サトミ つまり、我が楽しめるなら、望みが増えて、
    殖えすぎ、我を苦しめるなら、望みが減るの?
メグミ そうよ、器に収まるまでは、楽しめるけど、
    多すぎて、器を溢れてくると、苦しめられる。
サトミ なるほどね、義に囚われて、義を望むかぎり、
    正義と不義を、繰り返し、行き来するわけね。
メグミ 仕えるほど、支えてしまう、義の仕組みなの。
サトミ ……………………!!

 


 

CASE 咽 喉 チ ャ ク ラ

 

サトシ 咽喉に在る、チャクラは、どういうものかな?
マサシ 表現を介して、義を解する、二元の世界だよ。
サトシ 義に関して、善悪を分けると、どうなるの?
マサシ 正義と不義を、繰り返している、修羅界だよ。
サトシ 義を善いと、捉えて行くほど、どうなるの?
マサシ 少しずつ、正義の道を進み、義を好いて行く。
サトシ 義を悪いと、捕えて来るほど、どうなるの?
マサシ 少しずつ、不義の道を戻り、義を嫌って来る。
サトシ 善や悪には、義を認めないと、どうなるの?
マサシ もう一度って、正義の道を、進んで逝くのさ。
サトシ 善も悪にも、義を見とめると、どうなるの?
マサシ もう十分って、調和の道に、昇って行くのさ。
サトシ 修羅界では、義憤を抱く、繰り返しだけど、
    肯い過ぎても、否み過ぎても、捕らわれるの?
マサシ うん、どちらに、偏り過ぎても、囚われるよ。
サトシ 義って、軽んじても、捕われてしまうんだね。
マサシ 必ず、不義に向うけど、正義を重んじるのさ。
サトシ そっか、義に関して、巧い使い方が有るのか。
マサシ うん、それを悟るまで、修羅に生れ変わるよ。
サトシ ……………………!!

 


 

CASE 不義なき正義 と 正義なき不義

 

サトミ 正義と不義、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 修羅の入口、正義って、どういうものかな?
メグミ 正義とは、義に捕われて、義に仕えることよ。
サトミ 修羅の出口、不義って、どういうものかな?
メグミ 不義とは、義に囚われて、義に支えることよ。
サトミ 正義を望み、不義に臨まないと、どうなるの?
メグミ 不義なき正義なんて、修羅の器に余るだけよ。
サトミ じゃ、仕えるだけでは、器を溢れてしまうの?
メグミ そうよ、苦しみが過ぎて、出口から逃げるよ。
サトミ 不義を望み、正義に臨まないと、どうなるの?
メグミ 正義なき不義なんて、修羅の器に欠けるのよ。
サトミ じゃ、支えるだけでは、器に至っていないの?
メグミ そうよ、楽しみが足りず、入口にも立てない。
サトミ 正義だけでは、義を楽しみ、修羅に入って、
    不義ばかりでは、義に苦しみ、修羅を出るの?
メグミ うん、正義と不義、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、正義を究めて、不義を極めていくの?
メグミ うん、正義を超えて、不義を越えていくのよ。
サトミ ……………………!!

コメントを残す

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。