第六章 第二三話 対話編
CASE 達磨 の裏に 羯磨
マナミ 眉間の車輪、天人界は、どういうものなの?
マサシ 天人界は、欲界の最上層、法則の世界なのさ。
マナミ 法の良い所、達磨って、どういうものなの?
マサシ 達磨とは、教えを守って、法で楽しむことさ。
マナミ 法を使って、本分を望んで、自ずと楽しむの?
マサシ 法が導く、法の喜び故に、突き進んで行くよ。
マナミ じゃあ、法則を楽しむほど、法に捕われるの?
マサシ そうだよ、法を望むから、天人に臨んでいく。
マナミ 法の悪い処、羯磨って、どういうものなの?
マサシ 羯磨とは、教えに拘って、法で苦しむことさ。
マナミ 法に疲れて、義務に臨んで、自ずと苦しむの?
マサシ 法が縛る、法の憂い故に、引き返して来るよ。
マナミ じゃあ、法則に苦しむほど、法に囚われない?
マサシ そうだよ、法に厭くから、天人が空いてくる。
マナミ つまり、法則で楽しんだ分、法則で苦しめば、
自ずから、天人の世界を、乗り越えられるの?
マサシ そうさ、天人界の仕組みを、解き終えるのさ。
マナミ わたしは、法に疲れるなんて、絶対に無いの。
マサシ そんなこと、言っていると、まだまだ先かな。
マナミ ……………………
CASE 達磨 の先に 羯磨
サトミ 法が流れる、達磨って、どういうものかな?
メグミ 達磨とは、法則を持って、先に楽しむことよ。
サトミ 先に於いて、法を楽しむと、どうなるのかな?
メグミ 法の喜び故に、我が強くなり、多く望むのよ。
サトミ 更に多くの、法を求めると、どうなるのかな?
メグミ 前よりも、楽しみ難くて、苦しみが増えるの。
サトミ 法が固まる、羯磨って、どういうものかな?
メグミ 羯磨とは、法則を以って、後に苦しむことよ。
サトミ 後に於いて、法に苦しむと、どうなるのかな?
メグミ 法の憂い故に、我が弱くなり、寡く望むのよ。
サトミ 更に少ない、法を求めると、どうなるのかな?
メグミ 前よりも、苦しみ難くて、楽しみが殖えるの。
サトミ つまり、我が楽しめるなら、望みが増えて、
殖えすぎ、我を苦しめるなら、望みが減るの?
メグミ そうよ、器に収まるまでは、楽しめるけど、
多すぎて、器を溢れてくると、苦しめられる。
サトミ なるほどね、法に囚われて、法を望むかぎり、
達磨と羯磨を、繰り返し、行き来するわけね。
メグミ 使えるほど、仕えてしまう、法の仕組みなの。
サトミ ……………………!!
CASE 眉 間 チ ャ ク ラ
サトシ 眉間に在る、チャクラは、どういうものかな?
マサシ 直観を介して、法を解する、二元の世界だよ。
サトシ 法に関して、善悪に分けると、どうなるの?
マサシ 達磨と羯磨を、繰り返している、天人界だよ。
サトシ 法を善いと、捉えて行くほど、どうなるの?
マサシ 少しずつ、達磨の道を進み、法を好いて行く。
サトシ 理を悪いと、捕えて来るほど、どうなるの?
マサシ 少しずつ、羯磨の道を戻り、法を嫌って来る。
サトシ 善や悪には、法を認めないと、どうなるの?
マサシ もう一度って、達磨の道を、進んで逝くのさ。
サトシ 善も悪にも、法を見とめると、どうなるの?
マサシ もう十分って、自然の道に、昇って行くのさ。
サトシ 天人界では、法則に従う、繰り返しだけど、
肯い過ぎても、否み過ぎても、捕らわれるの?
マサシ うん、どちらに、偏り過ぎても、囚われるよ。
サトシ 法って、軽んじても、捕われてしまうんだね。
マサシ 必ず、羯磨に向うけど、達磨を重んじるのさ。
サトシ そっか、法に関して、巧い使い方が有るのか。
マサシ うん、それを悟るまで、天人に生れ変わるよ。
サトシ ……………………!!
CASE 羯磨なき達磨 と 達磨なき羯磨
サトミ 達磨と羯磨、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 天人の入口、達磨って、どういうものかな?
メグミ 達磨とは、法に捕われて、法を使えることよ。
サトミ 天人の出口、羯磨って、どういうものかな?
メグミ 羯磨とは、法に囚われて、法に仕えることよ。
サトミ 達磨を望み、羯磨に臨まないと、どうなるの?
メグミ 羯磨なき達磨なんて、天人の器に余るだけよ。
サトミ じゃ、使えるだけでは、器を溢れてしまうの?
メグミ そうよ、苦しみが過ぎて、出口から逃げるよ。
サトミ 羯磨を望み、達磨に臨まないと、どうなるの?
メグミ 達磨なき羯磨なんて、天人の器に欠けるのよ。
サトミ じゃ、支えるだけでは、器に至っていないの?
メグミ そうよ、楽しみが足りず、入口にも立てない。
サトミ 達磨だけでは、法を楽しみ、天人に入って、
羯磨ばかりでは、法に苦しみ、天人を出るの?
メグミ うん、達磨と羯磨、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、達磨を究めて、羯磨を極めていくの?
メグミ うん、達磨を超えて、羯磨を越えていくのよ。
サトミ ……………………!!