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物語編

第六章 第二五話 物語編

第六章     梵   と   魔
第二五話 型を創り出す と 形を作り出す

 

これって、神様からのご褒美って、ことかな。
これには、神様も応援してくれるって、ことかな。
わたし、今日ぐらいは、我がまま言って、良いよね?

 

そう言うと、じっと彼女は、私の目を見つめた。
幾星霜を、積み重ねた想いが、私の中に映り込む。
神にも甘えず、独り抱え込んだ、彼女の愛が美しい。

 

この美しくて重い、彼女の愛を受け止めるには、
彼女同様、千代に鍛え上げた、大きな器を要する。
まさに、この日のために、徳を培った様な物だった。

 

私は、魂まで包み込むよう、彼女を抱き留めた。
無常に移り変わる、擦れ違いの生れ変わりの中で、
二度と、離れ離れにならないよう、強く抱き締めた。

 

あらゆる抑圧から解き放たれた、彼女の笑顔は、
初めて見るような、可憐さがあり、愛おしかった。
私の胸に、顔を埋ずめ込む、彼女の頭を撫で続けた。

 

その様子を、傍らで見ていた彼は、涙を流して、
あたかも、自分の幸せのように、祝福してくれた。
旧い親友に、見守られながら、私と彼女は結婚した。

 

小さな式だった、しかし、全て揃えられていた。
神は、考えられる、最高の時を、演出してくれた。
三人は、愛に満ち溢れる、優しい時に包まれていた。

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