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物語編

第一章 第三話 対話編

CASE 陽極 の裏に 陰極

 

マナミ 陽を究める、陽極って、どういうものなの?
マサシ 陽極とは、陽を究めると、陰も極めることさ。
マナミ じゃあ、陽が強くなるほど、陰も強くなるの?
マサシ そうだよ、陽が弱くなるほど、陰も弱くなる。
マナミ 陰を極める、陰極って、どういうものなの?
マサシ 陰極とは、陰を極めると、陽も究めることさ。
マナミ じゃあ、陰が強くなるほど、陽も強くなるの?
マサシ そうだよ、陰が弱くなるほど、陽も弱くなる。
マナミ つまり、表が強くなるほど、裏も強くなり、
    その一方、表が弱くなるほど、裏も弱くなる?
マサシ そうさ、いつでも表と裏は、同じ様に変わる。
マナミ 陽も陰も、強くなるのは、どういうときなの?
マサシ 同じことを、繰り返すほど、強くなっていく。
マナミ 陰も陽も、弱くなるのは、どういうときなの?
マサシ 繰り返さず、放って置くと、弱くなっていく。
マナミ じゃ、厭きず、繰り返すほど、強くなるのね。
マサシ そうさ、飽きて、放って置くと、弱くなるよ。
マナミ はじめて、聞いたから、余り、実感が無いの。
マサシ 色々な物に、当て嵌めたら、実感が湧くのさ。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 陽極 の先に 陰極

 

サトミ 陽が極まる、陽極って、どういうものかな?
メグミ 陽極とは、陽を究めると、陰に窮まることよ。
サトミ 陰が極まる、陰極って、どういうものかな?
メグミ 陰極とは、陰を究めると、陽に窮まることよ。
サトミ う~ん、良く解らない、どういうことかな?
メグミ 薄黒から、薄白を見ると、どう見えると思う?
サトミ 灰色に見え、曖昧に映って、実感が生じない。
メグミ 濃黒から、濃白を見ると、どう見えると想う?
サトミ 白黒が別れ、明確に写って、実感が生じるよ。
メグミ 濃白から、薄黒を見ると、どう見えると思う?
サトミ 白色に見え、曖昧に映って、実感が生じない。
メグミ 濃黒から、薄白を見ると、どう見えると想う?
サトミ 黒色に見え、曖昧に写って、実感が生じない。
メグミ つまり、弱い陽を支えるのは、弱い陰だし、
    逆に、強い陽を支えられるのは、強い陰なの。
サトミ そっか、弱と弱なら、弱く入り混じるだけ。
    また、弱と強なら、強に飲み込まれるだけね。
メグミ だから、あなたが強いと、わたしも強くなり、
    こうして、裏から支え、明確な意味にするの。
サトミ ……………………!!

 


 

CASE 陽極 という 陰極

 

アツシ ある勢力が表れると、反対の勢力も現れて、
    どちらか一方に、他の人は巻き込まれていく。
サトミ 依存するのか、対立するのか、どちらかで、
    どちらでもない、第三の立場は、保てないの?
アツシ 対立が、厳しくなければ、保っていられるが、
    厳しくなれば、どちらかに、従がってしまう。
サトミ そんなことない、絶対なんて、言い切れない。
    どんなときも、第三勢力は、存在できるわよ。
メグミ 二人とも、落ち着いて下さい、少し変ですよ。
    いつもなら、もっと仲良し、じゃないですか。
サトミ じゃあ、あなたは、どっちが、正しいと思う?
メグミ わたしは、どちらも、正しいと、思いますよ。
サトミ それは、ダメなの、どちらかだけ、正しいの。
メグミ そこまで、言うなら、あなたは、誤っている。
アツシ さらに、二つに見えて、一つなら、どうだい?
    表で、対立していて、裏で、共謀していたら。
メグミ 対立を装う勢力を、影から操る勢力があると?
    そうなると、否応なしに、巻き込まれますね。
サトミ そうなの、こういうことよ、分かったでしょ。
メグミ ……………………

 


 

CASE 陰極 という 陽極

 

サトシ いやだ、校則改正で、男子は丸刈りだって。
    どうして、今どき、髪の長さで揉めるのかな。
マコト そうよ、隠れた目的があると、考えなさい。
    学校側は、生徒の髪なんて、どうでも良いの。
サトシ だめだ、生徒にとっては、どうでも良くない。
    全校集会で反対するよ、坊主なんて嫌だもん。
マコト 生徒に集会で反対させる、それが目的なのよ。
    そもそも、集会の議題って、何の予定だった?
サトシ 文化祭の予算を交渉する、予定だったけど。
    あっ、ということは、予算を上げたくないと。
マコト そうよ、最終的に、長髪は許可されるのよ。
    でも、笑顔の裏では、予算が減らされている。
サトシ そっか、どちらにせよ、先生の掌の上なんだ。
    もう、策略に嵌り掛けた、本当に助かったよ。
マコト 私には、学校の予算なんて、どうでも良いの。
サトシ でも、マコト先生だって、新任の先生なのに、
    どうして、生徒の僕に、教えてくれたのかな?
マコト やあね、そんなこと、教えられる訳ないわ。
    とにかく、あなたには、どうでも良いことよ。
サトシ ……………………

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