第六章 第二七話 問答編
マサシ 欲界(ヨクカイ)とは、どういうものですか?
アキラ 欲界は、欲を司っている、世界のこと。
梵語では、カーマ・ローカと呼んでいる。
欲界は、利己を修める、衆生の世界であり、
欲界に生まれ、輪廻を繰り返し、善を重ねる。
マサシ 色界(シキカイ)とは、どういうものですか?
アキラ 色界は、徳を司っている、世界のこと。
梵語では、ルーパ・ローカと呼んでいる。
色界は、利他を修める、菩薩の世界であり、
欲界に降りて、済度を繰り返し、徳を重ねる。
マサシ 応身(オウジン)とは、どういうものですか?
アキラ 応身は、欲界に現われである体のこと。
梵語では、ニルマーナ・カーヤと表わす。
仏陀が、欲界で苦しむ衆生を済度するため、
衆生に応じて化身した、肉の体のことである。
マサシ 報身(ホウシン)とは、どういうものですか?
アキラ 報身は、色界に現われである体のこと。
梵語では、サンボーガ・カーヤと表わす。
仏陀になるために、行を積み重ねた菩薩が、
菩薩行の果報として、徳を具えた身体である。
マサシ 法身(ホッシン)とは、どういうものですか?
アキラ 法身は、無色界の現れである体のこと。
梵語では、ダルマ・カーヤと呼んでいる。
欲界の欲も持たない、色界の形も持たない、
無色界の光である、真理そのものの体である。
ヒメジ 既に、反キリストは、生まれていますか?
マコト あなたが、悪魔の子を、探し始めると、
その瞬間に、悪魔の役が、実体化し始め、
あなたは、真理の悟りから、遠ざかります。
悪魔は、空く間であって、猶予を授かります。
例えば、小学生には、救いを説きます。
彼らには、天使と悪魔、善と悪が戦って、
最後に、悪が善に負ける、理想を説きます。
飽くまで、理想であり、現実は近づきません。
一方で、大学生には、悟りを解きます。
彼らには、神の掌の上、欲と欲が戦って、
最後に、善と悪を超える、真理を解きます。
悟ったら、現実であり、現在まで近づきます。
未熟な、小学生には、魔は居りますし、
成熟した、大学生には、間は要りません。
つまり、救いを望むなら、魔を探せば良く、
いよいよ、悟りに臨むなら、間を消せば良い。
ハリマ 反キリストは、誰なのか、教えて下さい。
マコト あなたが、悪の化身が、誰かを知って、
この世から、その人物を、消し去っても、
次から次へと、悪の化身が、生み出されて、
最終的に、自分自身が、悪の根源と化します。
これを悟るために、間が欲しいのなら、
外を訪ね回れば、適えてくれるでしょう。
小学生を誘うため、横糸の教えを説くもの、
王者たる老師が、優しい救いを説いています。
これを悟るために、魔を越えたいなら、
内に尋ね尽せば、叶えてくれるでしょう。
大学生を導くため、縦糸の教えを解くもの。
船頭たる菩薩が、厳しい悟りを解いています。
ヒメジ 既に、キリストは、生まれていますか?
マコト あなたが、キリストを、外に求めると、
その瞬間に、キリストと、反キリストが、
あなたの前に、実体化して、現れ始めます。
キリストと、反キリストとは、同時発生です。
もちろん、望まれても、構いませんが、
キリストを、心から愛し、追い求めつつ、
反キリストを、心から憎み、逃げ回ります。
いつまでも、仕掛けが解けず、巡り続けます。
当然、キリストも、そういう人々には、
善と悪の戦い、相克の世界観を説きます。
というのも、彼らは救いを求めに来ていて、
悟るためには、未だ魔が要ると見るからです。
救いを求めるなら、外に望んで下さい。
悟りを求めるならば、内に臨んで下さい。
悟りに導く、ここでは、あなたの心の中に、
すでに、キリストは、生じていると解きます。