第六章 第三二話 問答編
マサシ 時(トキ)とは、どういうものですか?
アキラ 時は、陰陽を見て、変化を感じること。
梵語で、カーラとも、呼ばれているもの。
偏るほど、現在が、過去と未来に分かれて、
偏らないと、過去と未来が、現在に合わさる。
マサシ 業(ゴウ)とは、どういうものですか?
アキラ 業は、陰陽を見て、片方を捉えること。
梵語で、カルマとも、呼ばれているもの。
カルマが生じると、過去と未来が現われて、
カルマを越えるまで、カーラが流れてしまう。
マサシ 法(ホウ)とは、どういうものですか?
アキラ 法は、陰陽を見て、両方を捉えること。
梵語で、ダルマとも、呼ばれているもの。
ダルマが生じると、過去と未来が消されて、
カルマを越えるため、カーラが流れなくなる。
マサシ 大黒天(ダイコクテン)は、何ですか?
アキラ 大黒天は、破壊神シヴァの別名であり、
梵語で、マハーカーラと、呼ばれるもの。
マハーとは「偉大」、カーラとは「時や黒」
如何なる存在も免れない、偉大なる時を司る。
アツタ どうして、ルシファーを、崇めるのですか?
上流階級が、魔と契約する、気が知れません。
マコト 欲界の底辺で、苦しみに苛まれるとき、
内なる神に依り、悟りを求めることなく、
外なる神に頼って、救いを求めてしまうと、
外に神を望んだ罪を、人は犯してしまいます。
確かに、天使の長は、究極の善であり、
欲の天に、愛を以って、救い上げますが、
彼を崇めて、掬われた人は、借りが生じて、
彼の僕として、天の命を負う、道を進みます。
食み出せば、削ぎ落とし、中庸を守り、
増え過ぎれば、擦り減らし、秩序を護る。
人の世界に、汚れ仕事が、存在するように、
天使の世界も、穢れ仕事が、存在しています。
欲界の頂点で、天使として、働くとき、
我が足跡を、振り返って、こう考えます。
ここまで、辿った道に、神は居なかったし、
何故か、地の人から、堕天使と呼ばれている。