物語編
第六章 第三四話 物語編
第六章 変容 と 受容
第三四話 夢の移し変え と 夢の受け容れ
『なぁ、智徳、俺は、不思議な夢を見せられた。
何処までが現で、何処からが夢か、全く解らない、
不思議な夢で、その夢の中には、おまえも出て来た。』
『その夢の中で、俺たちは、敵や味方に分かれ、
人類の歴史を築きながら、様々な役を演じていた。
ああ、自分で言っておいて、自分でも信じられない。』
「誰も信じないと思うが、法徳、俺は信じるよ。
その夢には、俺達ばかりか、師も出て来ただろう。
俺達を愛してくれる、お前のお袋さんもだ、違うか。」
『何だよ、お前も見ていたような、口振りだな。』
「見ていたどころか、見せていたのかもしれない。
この世界だって、まだ、私が見せている夢の途中だ。」
法徳は、急に乗り越えて行った、親友に驚くが、
透かさず、乗り熟して、自らのものとしてしまう。
『だったな、これも、お前に言わされているだけだ。』
『丁度良い、照れ臭い事を、序でに言っておく。
夢を見て、思い知ったが、お前は代え難い存在だ。
たとえ、手に掛けようとも、掛け替えの無い相方だ。』
「確かに、夢の途中だからな、俺も言っておく。
別の章より、思い知ったが、お前は換え難い命だ。
君にしか出来ない。万物を代表し、礼を言っておく。」