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物語編

第六章 第二七話 対話編

CASE 身 の裏に 界

 

マナミ ねぇ、カーヤ、身って、どういうものなの?
マサシ 身とは、時を刻んでいく、小さな器のことさ。
マナミ 身が有り、経験を積むから、時が流れるの?
マサシ そうさ、身を持たないと、経験を積めないよ。
マナミ じゃ、ローカ、界って、どういうものなの?
マサシ 界とは、時を宿している、大きな器のことさ。
マナミ 界が在り、経験を宿すから、時を刻めるの?
マサシ そうさ、界が無いならば、経験を宿せないよ。
マナミ そもそも、時間なんて、存在してないけど、
    身を持って、経験すると、時が流れ始めるの?
マサシ そうだよ、経験を積む器が、我が体であり、
    我が集まり、経験を生む場が、世の中なのさ。
マナミ 皆の為に、役を演じると見ると、どうなるの?
マサシ 業が解けて、我が身を脱して、界を越えるよ。
マナミ 我が為に、時を重ねると見ると、どうなるの?
マサシ 業が重なり、我が身に縛られ、界を巡るのさ。
マナミ 他の為に、遍く経験すれば、乗り越えるけど、
    自らの為に、偏り経験すると、繰り返すのね。
マサシ こうして、遍く味わうまで、時が流れ続ける。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 界のない身 と 身のない界

 

サトミ 身と界、どちらの方を、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 既知を重ねる、身って、どういうものかな?
メグミ 我が身とは、実感を重ね、体験を積むものよ。
サトミ 未知を与える、界って、どういうものかな?
メグミ 世の界とは、実感を容れ、体験を宿すものよ。
サトミ 身を重んじて、界を軽んじると、どうなるの?
メグミ 界のない身なんて、単なる無智に過ぎないよ。
サトミ じゃ、知ってる事が、総べてと思っているの?
メグミ そうよ、望まない内に、界が生まれて来るよ。
サトミ 界を重んじて、身を軽んじると、どうなるの?
メグミ 身のない界なんて、単なる無知に過ぎないよ。
サトミ じゃ、知らない事を、知ろうとは想わないの?
メグミ そうよ、知らない内に、身が産まれて来るよ。
サトミ 身だけは、無智に覆われ、智を磨けないし、
    界ばかりは、無知に安んじ、智が現れないの?
メグミ うん、身と界、そのどちらも、必要になるの。
サトミ じゃあ、身を介しながら、界を解していくの?
メグミ うん、身を究めながら、界を極めていくのよ。
サトミ ……………………!!

 


 

CASE 法身 と 報身 と 応身

 

サトシ ダルマ・カーヤ、法身は、どういうものかな?
マサシ 法身とは、法界で活動する、身体のことだよ。
サトシ じゃあ、法界というのは、どういう世界なの?
マサシ 光を司り、法を収めている、情報の世界だよ。
サトシ じゃあ、法身というのは、どういう身体なの?
マサシ 概念の界で、直観的に悟る、光の身体なのさ。
サトシ サンボーガ・カーヤ、報身は、どういうもの?
マサシ 報身とは、色界で活動する、身体のことだよ。
サトシ じゃあ、色界というのは、どういう世界なの?
マサシ 型を司り、徳を収めている、波動の世界だよ。
サトシ じゃあ、報身というのは、どういう身体なの?
マサシ 映像の界で、論理的に解す、型の身体なのさ。
サトシ ニルマーナ・カーヤ、応身は、どういうもの?
マサシ 応身とは、欲界で活動する、身体のことだよ。
サトシ じゃあ、欲界というのは、どういう世界なの?
マサシ 熱を司り、欲を収めている、物質の世界だよ。
サトシ じゃあ、応身というのは、どういう身体なの?
マサシ 欲望の界を、体験的に知る、熱の身体なのさ。
    こうして、体験が出来るのは、体の御蔭だよ。
サトシ ……………………!!

 


 

CASE 欲界 と 色界 と 無色

 

マナミ アルーパ・ローカ、無色界は、どんな所なの?
マサシ 無色界は、情報が現れる、光の世界のことさ。
マナミ ルーパ・ローカ、色界って、どういう所なの?
マサシ 色界とは、形状が現れる、徳の世界のことさ。
マナミ カーマ・ローカ、欲界って、どういう所なの?
マサシ 欲界とは、物質が現れる、欲の世界のことさ。
マナミ もし、情報しか無かったら、無色界になるの?
マサシ そうさ、物も形も無い所、心だけの世界だよ。
マナミ その心に、形状が加わると、色界に生じるの?
マサシ そうさ、型が生じて、役を演じるようになる。
マナミ その役に、熱意が加わると、欲界に生じるの?
マサシ そうさ、熱が生じて、意が篭もるようになる。
マナミ はじめは、台本ばかり、意識だけだったのに、
    次第に、登場人物になり、肉体が具わったの?
マサシ そのうち、自分自身で、台本を書いたことも、
    配役を選んだことも、すっかり忘れてしまう。
マナミ う~ん、本当に自分で、人生を選んでいるの?
    もし、そうなら、もっと良い世界が良かった!
マサシ 今回は、そうして、熱く語る生を選んだのさ。
マナミ ……………………!!

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