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物語編

第六章 第三二話 対話編

CASE 感謝 の裏に 歓喜

 

マナミ モーダティ、感謝って、どういうものなの?
マサシ 感謝とは、喜びの思いが、外に表れることさ。
マナミ アーナンダ、歓喜って、どういうものなの?
マサシ 歓喜とは、歓びの想いが、内に現れることさ。
マナミ 楽しい事に、感謝をすると、どうなるのかな?
マサシ 当り前だから、内なる歓喜は、増え難いのさ。
マナミ 楽に感謝すると、善い業が落ち、善を積むの?
マサシ 楽を楽と見るのは、業であり、欲そのものさ。
マナミ じゃあ、欲に流されて、善を積んでいるの?
マサシ そうだよ、当り前に塗れ、有り勝ちな侭だよ。
マナミ 苦しい事に、感謝をすると、どうなるのかな?
マサシ 有り難いから、内なる歓喜が、殖え易いのさ。
マナミ 苦に感謝すると、悪い業が落ち、徳を積むの?
マサシ 苦を楽と見るのは、空であり、徳そのものさ。
マナミ じゃあ、欲に流されず、徳を積んでいるの?
マサシ そうだよ、当り前を越え、有り難いに変える。
マナミ つまり、外に依る感謝では、外の喜びのまま。
    逆に、内に拠る感謝なら、内の歓びになるの?
マサシ そうさ、苦境で行う感謝は、歓喜に変るのさ。
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 感謝 の先に 歓喜

 

サトミ 外に溢れる、感謝って、どういうものかな?
メグミ 感謝とは、自我に伝わる、喜びの思いなのさ。
サトミ 内に溢れる、歓喜って、どういうものかな?
メグミ 歓喜とは、真我が備える、歓びの想いなのさ。
サトミ 全ての、自我の中には、真我が隠れているの?
メグミ そうだよ、真我の周りに、業が積み重なり、
    自我として、様々な感情を、抱いているのよ。
サトミ そもそも、真我は、歓喜を具えているけど、
    自我に、覆われると、歓喜を感じ難くなるの?
メグミ うん、感情の中で、感謝が歓喜の現れなのよ。
サトミ つまり、感謝すると、歓喜が蘇って来るけど、
    逆に、感謝をしないと、歓喜が消えて行くの?
メグミ そうよ、有り難く思うと、真我に還って逝き、
    逆に、当り前に想うと、自我に塗れて行くよ。
サトミ じゃあ、感謝しているか、感謝していないか。
    それを見れば、自分の行き先が、解かるのね。
メグミ そうよ、苦しみの中でも、感謝が出来る人は、
    自我が壊れて、真我の想いが、湧き上がるよ。
サトミ なるほど、真我から自我に、福音が届くのね。
メグミ うふっ、こうして、隠れた想いが出て来るの。
サトミ ……………………!!

 


 

CASE 存在 と 意識 と 至福

 

マナミ ねぇ、サット、存在は、どういうものなの?
マサシ 存在とは、永遠に存する、真我の本質なのさ。
マナミ 自我が現れ、真我を隠すと、どうなるのかな?
マサシ 時が表れ、過去と未来が、生まれて来るのさ。
マナミ 存在を、認めると過去、認めないと未来なの?
マサシ そうだよ、時間を通して、真我を探し求める。
マナミ じゃ、チット、意識は、どういうものなの?
マサシ 意識とは、奇跡を観じる、真我の本質なのさ。
マナミ 自我が現れ、真我を隠すと、どうなるのかな?
マサシ 行が表れ、軌跡と奇跡が、生まれて来るのさ。
マナミ 意識に、認めると軌跡、認めないと奇跡なの?
マサシ そうだよ、奇跡を通して、真我を探し求める。
マナミ アーナンダ、至福って、どういうものなの?
マサシ 至福とは、歓喜を感じる、真我の本質なのさ。
マナミ 自我が現れ、真我を隠すと、どうなるのかな?
マサシ 識が表れ、感謝と怨嗟が、生まれて来るのさ。
マナミ 至福を、認めると感謝、認めないと怨嗟なの?
マサシ そうだよ、感謝を通して、真我を探し求める。
    これで、真我に向かう道が、見えて来たかな?
マナミ ……………………!!

 


 

CASE 歓喜なき感謝 と 感謝なき歓喜

 

サトミ 感謝と歓喜、どちらを、重んじるべきかな?
メグミ どちらも、同じぐらいに、重んじるべきなの。
サトミ 外に拡がる、感謝って、どういうものかな?
メグミ 感謝とは、自我を介する、喜びの思いなのよ。
サトミ 内に広がる、歓喜って、どういうものかな?
メグミ 歓喜とは、真我に会する、歓びの想いなのよ。
サトミ 感謝を望み、歓喜に臨まないと、どうなるの?
メグミ 歓喜なき感謝なんて、他人行儀に過ぎないよ。
サトミ じゃ、形ばかりになり、心が籠らなくなるの?
メグミ そうよ、内から広がらず、外に拡がらないの。
サトミ 歓喜を望み、感謝に臨まないと、どうなるの?
メグミ 感謝なき歓喜なんて、自己満悦に過ぎないよ。
サトミ じゃ、我ばかりになり、心を縛ってしまうの?
メグミ そうよ、外まで拡がらず、内が広がらないの。
サトミ 感謝だけは、疲れてしまい、届かなくなり、
    歓喜ばかりは、留めてしまい、届かなくなる?
メグミ うん、感謝と歓喜、その両方が、必要なのよ。
サトミ じゃあ、感謝を透して、歓喜を徹していくの?
メグミ うん、感謝を究めて、歓喜を極めていくのよ。
サトミ ……………………!!

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