物語編
第六章 第三五話 物語編
第六章 吉兆 と 凶兆
第三五話 星が和し合う と 星が刻し合う
約束の時に、遅れること、二十と数分が過ぎた。
智徳と法徳が、駆け付けて、師の元に辿り着くと、
他の弟子たちは、すでに、約束の地に集まっていた。
「我が師よ、指示通り、法徳を連れて来ました。
仰られた通り、彼は、道の半ばで、寝ていました。
告げられた通り、曰く、夢の半ばで、起こされたと。」
すると、あたかも、全てを見て来たかのように、
主は、微笑みながら、愛する弟子たちを出迎えた。
そして、徴候について、以下のように解き明かした。
〔第一に、約束の時に、法徳が遅れて来たこと。
これは将来、法徳が、道に迷うことを、暗示する。
たとえ、魔に疲れても、道半ばで溺れてはならない。〕
〔第二に、約束の地に、智徳が連れて来たこと。
これは来世、法徳が、彼に従うことを、明示する。
たとえ、道に躓いても、夢半ばで諦めてはならない。〕
〔さあ、これにて、善きにつけ、悪しきにつけ、
偉大なる救済の徴候、その総べてが現われ尽した。
これを、吉兆と見るか、凶兆と見るかは、汝ら次第。〕
〔規則正しく移り変わる、天の運行を見たまえ。
始りから終わりまで、神の計画を刻み続けている。
一切を神の御心に委ね、囚われないようにしなさい。〕