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物語編

第六章 第四五話 問答編

マサシ 種姓(シュセイ)は、どういうものですか?

 

アキラ 種姓は、宗教による、身分制度のこと。
    梵語では、ヴァルナと、呼んでいるもの。
    神話によると、原人プルシャを切り分けて、
    口が祭司に、腕が武人、脚が平民、足が隷民。

 

    第一に、祭司の階級、バラモンと呼んでいて、
    第二に、武人の階級、クシャトリヤと呼んで、
    第三に、平民の階級、バイシャと呼んでいて、
    第四に、隷民の階級、シュードラと呼ばれる。

 

マサシ 選民(センミン)は、どういうものですか?

 

アキラ 選民は、型を創る、選ばれし者であり、
    カルマを解いて、ダルマを説く者である。
    たとえ、業が善くても、業に捕らわれたら、
    その瞬間、選民ではなく、賤民に繰り下がる。

 

マサシ 賤民(センミン)は、どういうものですか?

 

アキラ 賤民は、形を作る、囚われし者であり、
    ダルマに背いて、カルマに従う者である。
    たとえ、業が悪くても、業に囚われないと、
    その瞬間、賤民ではなく、選民に繰り上がる。

 


 

トリデ 身分が高ければ、徳が高いのですか?

 

マコト 少し徳が高いと、高い身分に生まれて、
    大いに徳が高いと、低い身分に埋れます。
    天人に憑かれた者は、高い地位に生まれて、
    正神に使わされた者は、低い地位に埋れます。

 

トリデ 身分が高ければ、我が儘が許されるのですか?

 

マコト たとえ、菩薩として、世に生まれても、
    欲のまま、振る舞えば、地獄に堕ちます。
    誰だろうと、人間の生は、運命の分岐です。
    覚めれば、神に還るし、眠れば獄に返ります。

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